PIRAMIS


PIRAMIS (1977年)

   ピラミス
    (HUNAROTON: HCD 17528 / ハンガリー盤CD)



jacket photo
  1. SZABADNAK SZULETTEM
  2. HA VOLNA KET ELETEM
  3. A FENYLO PIRAMISOK ARNYEKABAN
  4. MONDJ EGY MESET
  5. KI TUDJA, HOL VAN
  6. HOZD EL A TEGNAPOT
  7. BOLDOG EMBER
  8. DAL A KEDVESERT
  9. A BECSULET


Revesz Sandor: enek
Som Lajos: basszusgitar
Gallai Peter: enek, billentyus hangszerek
Koves Miklos: dob
Zavoli Janos: gitar








アルバム1曲目冒頭の素っ頓狂な声のヴォーカルで、一気につかまれてしまいました(笑)。

ハンガリーのプログレッシヴ・ロック・グループ、Piramis(ピラミス)のファースト・アルバムです。もちろん、ハンガリー語で歌ってます。ハンガリー語のヴォーカルって、なんか好きなんですよねぇ。歌詞の意味なんかぜんぜんわかりませんが、その音の響きがどことなくもっさりしてて、これが哀愁をそそります。

音楽のタイプとしては、ハード・ロック・ベースのプログレッシヴ・ロックといったところでしょうか。様式美系も入ってますね。ハード・ロック・ベースのプログレッシヴって、けっこう好きなんですよ。Uriah Heep(ユーライア・ヒープ)の発展系みたいなやつ。最近のグループはどちらかというとヘヴィ・メタル・ベースになってるようですが、ヘヴィ・メタル・ベースって重過ぎるというか音が詰め込みすぎというか、なんか暑苦しい。どことなく隙間感のあるハード・ロック・ベースのもののほうが、音のなかで自由にたゆたえるような気がして、好ましいです。

ハンガリーのプログレというとOmega(オメガ)というビッグ・ネームがいるわけですが、PiramisのほうがOmegaよりもハード・ロック色が強いですね。とはいえOmegaも初期のころはかなりUriah Heep系だったわけで、最初期のOmegaのほうがPiramisよりも重さと激しさがあったように思います。また、独特の哀愁はやはりOmegaに通じるところもありますが、ド演歌ロックと呼ばれたOmegaほど強くはありません。そういう意味でいえば、ほどよくハードでほどよく哀愁のある、バランスの取れたグループなのかもしれません。

バランスが取れている分、強い個性のようなものは感じにくいのだけど、ハンガリー語で歌っているというだけで、ふだんハンガリー語に触れる機会など皆無に等しい自分にとっては充分に強い個性だったりします(笑)。また、曲によってはユーモラスなフレーズがあったり、妙にエキゾティックな雰囲気を漂わせたり、普通にハード・ロック風だったりと、意外とバリエーションも楽しめますし、ヘタではないけどうまくもない演奏とアレンジもほどよくプログレ風で、飽きずに聴いていられます。

ハンガリーということで、個人的にはどうしてもOmegaを基準に考えてしまいますが、Omegaほど好みにマッチはしないもの、Locomotiv GT(ロコモーティヴ・ジーティ)よりは好ましい、Color(カラー)ほどは楽しめないけど、Koral(コーラル)と同じくらいには楽しんで聴けるグループといったところかな。うん、悪くないです。

(2005.07.18)







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