1: LA MIA GIOVINEZZA
2: TRENO DI FERRO
3: LA DISCIPLINA DELLA TERRA
4: INVISIBILE
5: SONO TRE MESI CHE NON PIOVE
6: ANGELUS
7: LUBILAEUM BOLERO
8: LA RONDINE
9: IL MOTORE DEL SENTIMENTO UMANO
10: DANCING SOPRA IL MARE
11: FINALE
prodotto da BEPPE QUIRICI e IVANO FOSSATI
realizzato da BEPPE QUIRICI
orchestra d'archi registrata da STEVE PRICE
arrangiamenti e direzione di GIANFRANCO LOMBARDI
Delirium(デリリウム)でデヴューしたのが1971年だから、もう30年も音楽活動を続けているIvano Fossati(イヴァーノ・フォッサーティ)。1973年にソロになってからも、これまでにたくさんのアルバムをリリースしています。でも自分は、彼の作品はこれまで、ほとんど聴いたことがありません。
以前に聴いたことのある彼のアルバムは、1988年リリースの『La Pianta del Te』だけなのですが、このアルバムは、どことなく民族調、土着風な香りと、ほのかなジャズ風味が心地よい、どちらかというと玄人受けのよさそうなアルバムでした。
そして本作もまた、ヴェテランらしい、クオリティの高い作品になっています。
今回はエスニック風味はなく、全体に、非常にヨーロッパ的な落ち着きがあります。大仰に盛り上げたり、派手な展開をしたりすることはありませんが、穏やかで奥行きのあるヴォーカルは、とても味わい深いものです。
ジャズ風味はこのアルバムにもありますが、ここで聴かれるIvanoのジャズ風味は、Pino Daniele(ピーノ・ダニエーレ)のようなアメリカを感じさせるものとは違い、冷たい空気に覆われたヨーロッパを感じさせます。
美しいストリングスなども多用した、このアルバムに聴かれる音楽の背景に浮かぶ季節は、やはり冬でしょう。
雪に覆われた、家はまばらだけれども決して寂れているわけではいない街と、そのわきを通り抜けていくハイウェイ。過剰に春を待ちわびるのでもなく、冬に閉じ込められて絶望しているのでもなく、淡々と冬の生活を送っている人々。そんな彼らが1日を終え、家族のもとに帰ったとき、あるいは仲間と酒を飲んだりしてくつろいでいるときに、こういう音楽が背景に流れていたら似合いそうです。
一方でとてもアーティスティックな感性が感じられますが、とっつきにくい感じや小難しい感じはまったくありません。それどころか、ときに可愛らしく、親近感さえ感じられます。
このあたりにも、ヴェテランらしさが強く感じられます。
大勢で楽しみながら聴くタイプの音楽ではない、渋い内容のアルバムですが、カンタウトーレらしいロマンが色濃く感じられます。静かな部屋でひとり、音の映し出す舞台のなかに漂いながら楽しみたい音楽です。
ゲストで、故Fabrizio De Andre'(ファブリツィオ・デ・アンドレ)の息子のLuvi De Andre'(ルヴィ・デ・アンドレ)が1曲に参加してます。