testo e musica di Ivan Graziani
arrantiamenti e produzione di Gian Piero Reverberi
Ivan Graziani: chitarre
Gian Piero Reverberi: tastiere
Leandro Gaetano: programmatori
Banfi Aldo: sinclavier, prophet
Beppe Pippi: basso
Bob Callero: basso
Walter Calloni: batteria
Claudio Bazzarri: chitarra
Ivan Graziani(イヴァン・グラツィアーニ)って、一般的にはロック・シンガーという扱いのようなのですが、自分は「切なさのあるやわらかいポップ・ソングを歌う人」という印象を持っています。ちょっとタイプは違うけど、Elton John(エルトン・ジョン)などに似た感じでしょうか。
それはたぶん、自分が聴いたことのある彼の曲の多くが初期のものだからなんでしょう。
Ivanのアルバムは、最初の数枚はHunka Munka(フンカ・ムンカ)にも通じる、少しプログレッシヴ・ロック風の雰囲気を持ったポップ・チューンが多かったのですが、後年に近づくにつれてロック・チューンが増えていったように思います。
このアルバムは1983年のリリースだから、彼のキャリアのなかでは中期のはじめころといえるのでしょうか。収録されてる曲はロック的なものが大半を占めています。ただ、ロック・チューンが多いながらも、全体にまだ初期のころのようなやわらかさも漂っているのは、アレンジとプロデュースをGian Piero Reverberi(ジァン・ピエロ・レヴェルベリ)が担当しているからでしょうか。
ちなみにGian Pieroはキーボードで演奏にも参加しています。
M2「Il chitarrista」(ギタリスト)はタイトルどおりギターのストロークが派手なアップ・テンポのロック・チューン。M4の「140 kmh」(時速140キロ?)もアコースティック・ギターのかたい響きによるストロークが心地よいポップ・ロック。全体的にこういった感じのロック・チューンやポップ・ロックが多く収録されています。
一方でM1「Signora bionda dei ciliegi」やM3「Palla di gomma」などは初期の印象が強く残っている、ちょっと切ない感じのあるやわらかなポップ・ミュージックです。
ファルセット気味の細い声をしばしば使うIvanの特徴的なヴォーカルはやはり、こういったタイプの曲のほうが魅力を発揮します。Gian Pieroの甘すぎないオーケストレーションもうまく機能しています。
このあたりの曲は、どことなく初期のころのAlberto Fortis(アルベルト・フォルティス)に通じるところもあるかもしれません。
M3や、古いアメリカン・フォークのような雰囲気もあるM8「Gran sasso」などもおだやかに心に響きますが、切なさと明るさ、やわらかで美しいメロディを持った独特のポップスという点で、M1にIvanの魅力があふれていると思います。