1: PREMESSA
2: NARRATIO
3: DEDICATED TO JANIS JOPLIN
4: PASSA IL TEMPO
5: RITROVARCI QUI
6: STRADA
7: KEEP ON MOVIN'
イビスの2枚のアルバムのうち、どっちが名作かといえば、まちがいなく1st『Sun Suprime』だし、どっちのアルバムが好きかときかれても、やっぱり『Sun Supreme』だろうなぁ。
楽曲に魅力がない、キーボードもなんか薄っぺらい、中途半端にハード。全編英語だった前作とちがい、イタリア語の歌詞もあるのだけれど、あいかわらずイタリア風味は薄い。
国内盤『Sun Supreme』(Polydor POCP-2371)のライナー(山崎尚洋氏)には、このアルバムについて、
「シングル・ヒットを狙った小品を集めた作品に転身し、こぢんまりとした印象に仕上げられている。しかし、そうすることによってニコの持ち味であるイタリア的なメロディー・ラインの美しさと歌唱力がクローズ・アップされ、イタリア然とした、たおやかな印象のアルバムになった」
とあるが、自分には、シングル・ヒットが狙える曲とは思えないし、イタリア的なメロディ・ラインの美しさと歌唱力がクローズ・アップされているとも、たおやかな印象とも思えない。こぢんまりとした印象というのは同意できるけれど。
ニコ・ディ・パーロ(Nico Di Palo)のヴォーカルってとっても好きで、彼がいなかったころのニュー・トロルス(New Trolls)は物足りなく感じてしまう自分だけど、このアルバムでは、彼の声が生かされているとは思えない。
ニュー・トロルスの関連グループとしてイビスを聴いてみたいという人、たとえ中古で安く売っていたとしても、このアルバムから入ってはいけないよ。
世間での評価が絶対だとは思わないけれど、少なくともこのグループに関しては、やはり『Sun Supreme』を先に聴くべきでしょう。もしくは、『NICO, GIANNI, FRANK, MAURIZIO』という連名アルバム(クエスチョンマークのジャケットのやつ)を聴きましょう。
聴いたら損するとはいわないけれど、クロウト向けなアルバムですね。