IBIS


IBIS (1975年)

   イビス
    (MELLOW RECORDS / POLYDOR 847 073-2 / イタリア盤CD)



ibis1   1: PREMESSA
  2: NARRATIO
  3: DEDICATED TO JANIS JOPLIN
  4: PASSA IL TEMPO
  5: RITROVARCI QUI
  6: STRADA
  7: KEEP ON MOVIN'







 イビスの2枚のアルバムのうち、どっちが名作かといえば、まちがいなく1st『Sun Suprime』だし、どっちのアルバムが好きかときかれても、やっぱり『Sun Supreme』だろうなぁ。

 楽曲に魅力がない、キーボードもなんか薄っぺらい、中途半端にハード。全編英語だった前作とちがい、イタリア語の歌詞もあるのだけれど、あいかわらずイタリア風味は薄い。
 国内盤『Sun Supreme』(Polydor POCP-2371)のライナー(山崎尚洋氏)には、このアルバムについて、

 「シングル・ヒットを狙った小品を集めた作品に転身し、こぢんまりとした印象に仕上げられている。しかし、そうすることによってニコの持ち味であるイタリア的なメロディー・ラインの美しさと歌唱力がクローズ・アップされ、イタリア然とした、たおやかな印象のアルバムになった」

 とあるが、自分には、シングル・ヒットが狙える曲とは思えないし、イタリア的なメロディ・ラインの美しさと歌唱力がクローズ・アップされているとも、たおやかな印象とも思えない。こぢんまりとした印象というのは同意できるけれど。

 ニコ・ディ・パーロ(Nico Di Palo)のヴォーカルってとっても好きで、彼がいなかったころのニュー・トロルス(New Trolls)は物足りなく感じてしまう自分だけど、このアルバムでは、彼の声が生かされているとは思えない。

 ニュー・トロルスの関連グループとしてイビスを聴いてみたいという人、たとえ中古で安く売っていたとしても、このアルバムから入ってはいけないよ。
 世間での評価が絶対だとは思わないけれど、少なくともこのグループに関しては、やはり『Sun Supreme』を先に聴くべきでしょう。もしくは、『NICO, GIANNI, FRANK, MAURIZIO』という連名アルバム(クエスチョンマークのジャケットのやつ)を聴きましょう。

 聴いたら損するとはいわないけれど、クロウト向けなアルバムですね。

(1998.04.19)








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