1: SU NURAGHE
2: SET THE CONTROLS FOR THE HEART OF THE SUN
3: WAITING FOR THE KUNDALINI
4: VENTO DEL DESERTO
5: ASCEA
6: FRIEND-SHIP
7: GREEN FOG
8: IL VOLO DEL GABBIANO
9: VISION OF THE SEA
11: THARROS
INDACO;
Mario Pio Mancini: mandolini, bouzuki
Rodolfo Maltese: chitarra
Arnaldo Vacca: percussioni
Pierluigi Calderoni: batteria
Toni Armetta: basso
ospiti;
Mauro Pagani: violino, bouzuki
Enzo Gragnaniello: voce
Toni Esposito: percussioni
Antonello Salis: fisarmonica
Francesco Di Giacomo: voce
Massimo Carrano: percussioni
Rino Zurzolo: basso
このアルバムをリリースしているil manifestoというレーベルはたしか、地中海音楽やイタリア各地のトラッドなどをベースにしたポピュラー・ミュージックを中心にリリースしているマイナー・レーベルだったように思います。
同じレーベルから出ているDodi Moscati(ドディ・モスカーティ)のアルバムは、トスカーナ地方のトラッドをベースにした、プリミティブな力強さを感じさせるアルバムでしたが、このIndaco(インダコ)のアルバムは、明るく乾いた、聴きやすい地中海ポップスでした。
プログレッシヴ・ロックのファンにはMauro Pagani(マウロ・パガーニ)や、Banco del Mutuo Soccorso(バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ)のRodolfo Martese(ロドルフォ・マルテーゼ)とFrancesco di Giacomo(フランチェスコ・ディ・ジャコモ)の参加が気になるところかもしれません。ちなみにRodolfoは正式メンバーのようですが、MauroやFrancescoはゲストです。
彼らが参加しているからといって、プログレッシヴ・ロックが展開されているわけではありません。基本は地中海ポップスです。とはいえキーボードなどに時折、プログレッシヴ・ロックの影が見え隠れはします。また、なぜかPink Floyd(ピンク・フロイド)の「Set the Controls for the Heart of the Sun」の地中海アレンジなども収録されていて、プログレ・ファンの心をくすぐります。
イタリア最高のヴォーカリストのひとりであるFrancescoが参加してはいますが、Indacoは基本的にインスト・グループなため、彼の情感豊かなヴォーカルが聴けるのは1曲だけです。
1曲とはいえ、Francescoのヴォーカルはやはり素晴らしいといえます。しかし、じつはFrancescoのヴォーカルよりもさらに味わい深く聴こえるのが、やはりゲストで参加しているEnzo Gragnaniello(エンツォ・グラニャニエッロ)の声です。
Enzoの場合はヴォーカルではなくスキャットなのですが、そこはやはりナポリの血なのでしょうか、このグループの演奏する曲にピッタリとはまっている感じがします。
地中海色、エスニック色の強い作品ですが、それほど濃ゆい音楽ではないので、民族調ポップスに興味がある人なら楽しめるでしょう。しかし、そこには安易さは微塵もなく、とても真摯でクオリティの高い音楽だといえます。
地中海ロックの傑作であるMauro Paganiのファーストからシリアスさを除き、あたりの柔らかさ、馴染みやすさを加え、コアなファン以外でも楽しめるようにした作品といえるのではないでしょうか。