all tracks written by Kazutoshi Sakurai
produced and arranged by Takeshi Kobayashi & Mr.Children
MR.CHILDREN:
Kazutoshi Sakurai
Kenichi Tahara
Keisuke Nakagawa
Hideya Suzuki
テレビのチャンネルを変える音などのSEも入り、なんとなくコンセプト・アルバム風にしたかったのかなという感じがあるのですが、もしかして1970年代の音楽へのオマージュかなにかなのでしょうか。
それはいいとしても、アルバム全体の印象として、彼らの他のアルバムにくらべるとメロディの魅力が薄い(心をつかむメロディが少ない)ような気がします。音づくりや演奏の雰囲気にはよいものがあるだけに、その点が残念です。ヒット曲のM7「名もなき詩」にしても、他のヒット曲にくらべるとインパクトが弱いと思いませんか。
音づくりといえば、Mr.Children(ミスター・チルドレン)ってギターの音が汚いと思うことが、自分は多いです。エレキだけじゃなく、アコースティック・ギターもきれいに鳴らせていないよなぁと感じることがしばしばです。音色感覚の違いといってしまえばそれまでですが、「きれいに響かせる」という美意識があまり感じられないのが残念です。
ただ、このアルバムではそれでも、自分が聴いたことのある彼らのアルバムのなかでは比較的、ギターの音色に気を使っている感じは受けます。それゆえ、歌メロ自体の魅力の薄さがよけいに残念なんです。
M2「シーラカンス」などでは1970年代のPink Floyd(ピンク・フロイド)のようなギターが聴けます。そこにボコボコしたドラムが入り、1970年代のロックの音みたいです。懐かしいです。
そういえばこのアルバムって、M2以外にもPink Floydを思わせる部分が非常に多いように思います。M11「ゆりかごのある丘から」のエンディングで入ってくるサックスやギターのアルペジオ、さらにそこにかぶさるヘリコプターのSEなど、とてもPink Floydちっくです。ただ、それがMr.Childrenの音楽としてきちんと消化されていない感じがするので、Pink Floydファンの自分としては微妙な感情を抱いてしまいます。
M3「手紙」はストリングスの入ったバラード。ストリングスの音がthe Beatles(ビートルズ)の「Eleanor Rigby」や初期のElectric Light Orchestra(エレクトリック・ライト・オーケストラ)のようなザラザラした響きで、これまた懐かしいです。
M8「So Let's Get Truth」は、長渕剛(こんな字でしたっけ?)のパロディなのでしょうか。
M13「花 - Memento Mori -」はシングル・カットされてヒットしたように思いますが、これはMr.Childrenらしいメロディが多くていい感じです。