produced by Kenji Ohtsuki
元・筋肉少女帯の大槻ケンヂさんのソロ・プロジェクト、UNDERGROUND SEARCHLIE(アンダーグラウンド・サーチライ)の2作目かつ最終作。
大槻ファンやジャパニーズ・パンク・ファンなどのあいだでは前作『スケキヨ』よりもこの『アオヌマシズマ』のほうが評判がいいような感じですが、自分の好みとしては『スケキヨ』のほうが好き。前作のほうが「歌」と「音楽」があったから。今作には「演奏」はあるのだけど、「歌」と「音楽」の要素が少ないように感じます。
M1「ジェロニモ」は力強さ爆発のハード・パンク・ロック。もともとはガスタンクの曲だそうですが、なかなか名曲かもしれません。
M2「これが私の登山口」は、いわゆるパンクなのかなぁ。自分の好みとは方向性が違う。
M3「猿の左手 象牙の塔」はナゴム時代の筋肉少女帯の曲だったでしょうか。フルートなども入りほんのりプログレッシヴな香りはありますが、筋肉少女帯ヴァージョンのほうが自分は好き。
M4「埼玉ゴズニーランド」は、このアルバムのなかではもっともインパクトの強い曲でしょうか。大槻ケンヂの世界炸裂といった感じです。トランス風の演奏に乗せて妄想世界を描いた歌詞を朗読しています。埼玉ゴズニーランドに行きたくなります。いや、ならないか。
M5「De Do Do Do, De Da Da Da」はPolice(ポリス)のヒット曲の日本語版ですが、派手でパンキッシュなアレンジがされていて、Policeとはずいぶん違った感じになっています。
M6「がんばったがダメ」は、もうタイトルだけ見ればいいというか、タイトルで完結してるというか、これもまたいかにも大槻ケンヂの世界といった感じ。アコースティック・ギターの音色がしみるブルース・フォークになっています。
M7「Underground Searchlie」では混沌とした演奏に歌詞の朗読が乗るという、やはりほとんど「歌」のない曲。歌詞の痛み具合がとても大槻ワールドです。
う〜ん、どれも自分の好みとは方向が違うのだよなぁ。唯一よかったのは、収録時間の短さ。前作も33分程度とコンパクトでよかったのですが、今作では30分を切るという短さ。そこには好感を持てました。