LUCIO DALLA


CANZONI (1996年)

   ルーチォ・ダッラ / カンツォーニ
    (PRESSING / BMG RICORDI 74321 40062 2 / イタリア盤CD)



jacket photo   1: AYRTON
  2: CANZONE
  3: TU NON MI BASTI MAI
  4: DOMANI
  5: BALLANDO BALLANDO
  6: SUL MONDO
  7: AMICI
  8: PRENDIMI COSI'
  9: NUN PARLA'
 10: COSA VUOL DIRE UNA LACRIMA
 11: GOODBYE


prodotto da MAURO MALAVASI
arrangiamentei: MAURO MALAVASI, LEO ZEUSS, PAOLO MONTEVECCHI

Ricky Portera: chitarre
Giovanni Pezzoli: batteria
Roberto Costa: basso
Mauro Malavasi: tasitere e progurammazione computer
Leo Zeuss: tasitiere
Lucio Dalla: tastiere

Bruno Mariani: chitarre
Naco: percussioni
Simone Bartolini: corno, bombarda
Tullio Ferro: fischio
Luca Ronconi: violino
Luca Buconi: violino
Paolo Marini: percussioni







 Lucio Dalla(ルーチォ・ダッラ)の音楽って、意外と楽しみ方が難しいのではないかと思うことがあります。
 長い活動歴を持ち、いまではすっかりボローニャの大親分のような感じがするLucioですが、彼のつくり歌う音楽は、とっつきやすそうで、とっつきにくい、ポップなのに、どこかポップじゃない、そういった感じがするのです。かといって実験的だったり先鋭的かというと、そういうわけでもありません。
 そういったところが彼の魅力でもあるわけですが、それを楽しむ最初のきっかけが、意外と見つけにくいアーティストのような気がします。

 1996年にリリースされたこのアルバムは、イタリアでのレース中に事故死したブラジルの英雄、F1パイロットのアイルトン・セナを歌ったバラードで始まります。
 短い生涯をサーキットの上で終えた天才に安らかな眠りをと語りかけるこの曲は、本当だったらもっと心を打ってもいいはずなのに、比較的淡々としたメロディとわざとらしいSEのために、どことなく興ざめしてしまいます。
 彼のヴォーカルは、けっして弱々しくはありませんが、かといって声量があってドラマティックというわけでもありません。そういうヴォーカルには、こういったゆったりとしたメロディは、あまりあわないのかもしれません。

 Lucioのつくった名曲に「Caruso」という曲があります。とてもドラマティックなバラードです。
 彼はこういう曲もつくれる人なのですが、でもこの曲は、自分で唄うよりも、もっと声量のある別のシンガー、たとえばAndrea Bocelli(アンドレア・ボチェッリ)などが歌ったほうが、より曲の良さが生きます。そういったことも考えると、Lucio自身にはもっとさりげないメロディのほうが、彼の良さが出るのではないでしょうか。

 実際、「Ayrton」以外の曲は、さりげないなかに暖かさ、優しさ、そして哀愁が感じられる曲が中心となっています。そのため、派手さはありませんが、聴くほどに味わいが深まりそうなアルバムではあります。
 とはいえ、やはり自分には、うまく楽しみにくいアルバムなのです。

(2000.11.12)








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