1: CARUSO
2: BALLA BALLA BALLERINO
3: VIAGGI ORGANIZZATI
4: ANNA E MARCO
5: TUTTA LA VITA
6: SE IO FOSSI UN ANGELO
7: CARA
8: WASHINGTON
9: "4.3.43"
10: FUTURA
11: STELLA DI MARE
12: L'ANNO CHE VERRA'
prodotto da ROBERTO COSTA
STADIO:
Giovanni Pezzoli - batteria
Ricky Portera - chitarra, cori
Marco Nanni - basso, cori
Aldo Fedele - tastiera
Gaetano Curreri - tastiere, voce, cori
"CARUSO":
Lucio Dalla - pianoforte
Roberto Costa - basso, tastiere
Bruno Mariani - chitarre
BMG Ricordiが西暦2000年ミレニアム記念としてリリースした(?)廉価のデジタル・リマスター/24kコーティングによる名作再発シリーズ「Dischi d'Oro」の1枚。14900リラという破格値にもかかわらずデジパック仕様と、なかなか豪華なのですが、歌詞カードがついていないのは残念です。
さて本作は、1986年にリリースされたLucio Dalla(ルーチォ・ダッラ)のライヴ盤。ただし、アルバム1曲目のみはスタジオ録音で、Andrea Bocelli(アンドレア・ボチェッリ)などにもカバーされている名曲「Caruso」が収録されています。
この曲、最初に聴いたのがAndreaのヴァージョンだったこともあると思いますが、Lucioが歌うにはドラマティックすぎるように思います。Lucioよりも、もっと声量のある、曲に表情をつけるのがうまい人が歌ったほうが、曲のよさが生きるのではないでしょうか。Lucioのヴァージョンも悪くはないのですが、ちょっとスケール感、ドラマ性という点で弱いと感じます。
他の曲は、すべてライヴ収録されています。自分は、Lucioのアルバムは4枚ほどしか持っていないのですが、それでもこのライヴに収録された曲の多くは聞き覚えのあるものなので、代表曲、ヒット曲が多く収録されているのでしょう。
ちなみに、M9の「"4.3.43"」というのは1943年3月4日という意味で、アメリカ兵とイタリア娘のあいだに生まれたLucio自身のことを歌ったものなのだそうです。LucioはEquipe 84(エクィペ・オッタンタクアトロ)をパートナーに、この曲でサンレモ音楽祭に入賞したことがあるのだとか。
バックの演奏はStadio(スターディオ)が担当しています。グループ名のとおり、もともと優れたスタジオ・ミュージシャンの集まりであるグループだけに、演奏力は確かで、不安定なところはありません。
Stadioは、自身の名義でも何枚もアルバムをリリースしていますし、そのなかにはライヴ盤もありますが、Lucioのバックでの演奏は、自身名義のアルバム群にくらべると、よりリラックスした感じを受けます。もともと演奏力が高く、リズムのよさはアメリカのグループかと思わせ、緊張感のあるプレイができるグループですが、このライヴ・アルバムでは、もっとやわらかな演奏をしています。
Lucioの味のある声と歌い方には、このくらいのおだやかさに演奏を抑えたほうが、歌が生きるように思います。そこは、さすが長年の付き合いといったところなのでしょう。
Lucioのほうも無理に力むことなく、Lucioらしい、さらっとしたなかにも人間味を感じさせるヴォーカルを、充分に聴かせてくれます。