LOCANDA DELLE FATE


HOMO HOMINI LUPUS (1999年)

   ロカンダ・デッレ・ファーテ / オモ・オミニ・ルプス
    (VINYL MAGIC 2000 RECORDS / BTF VM CD 066 / イタリア盤CD)



jacket photo   1: HOMO HOMINI LUPUS
  2: IL LATO SPORCO DI NOI
  3: GIRO TONDO
  4: BANDANDO
  5: PLOVI BARKO
  6: STANOTTE DIO CHE COSA FAI?
  7: LA FINE
  8: CERTE COSE
  9: OJKITAWE
 10: I GIARDINI DI HIROSHIMA
 11: FUMO


produced by FABRIZIO RIZZOLO & LOCANDA DELLE FATE

Locanda delle Fate are;
OSCAR MAZZOGLIO: Keyboards, Accordion, Mellotoron & Hammond B3
EZIO VEVEY: Guitars & Vocals
ALBERTO GAVIGLIO: Vocals, Acoustic Guitars & Flute

with;
LUCIANO BOERO: Bass & Fretless Bass
GIORGIO GARDINO: Drums & Percussions







 1977年にたった1枚のアルバムを発表し、その後シーンから消えてしまったシンフォニック・プログレッシヴ・グループの再結成アルバムです。

 往年の名グループの再結成ということで、プログレ・ファンの多くがそれなりの期待を寄せていたのですが、できあがってきたアルバムは、音楽スタイル的に非常に微妙な位置にある作品でした。

 そのポップな作風は、もはやプログレとはいいがたいです。かといって、いわゆるポップスかというと、やはりプログレッシヴ・フィールドの作品に近いように思います。そういった点で、リスナー層の位置づけが非常にむずかしいといえるでしょう。
 そういったジャンル的な曖昧さはありますが、内容自体はクリアでしっかりした演奏にヨーロッパらしいメロディが乗り、地味な印象ながらもクオリティは高いです。

 結局はプログレ出身のポップ・ロック・ファン、あるいは古いプログレにも興味のあるポップ・ロック・ファンあたりが、いちばん楽しめるのでしょう。
 たとえばもう少し、ロックとしてのダイナミズムを強調するとか、あるいはポップスとしてのなじみやすさを強調するとかすれば、リスナー層もはっきりしたのでしょうが、あえてそうしなかった(それとも、できなかった?)あたりが、プログレッシヴ・アーティストとしてのこだわりなのかもしれません。

 現代的に洗練された楽曲、録音にはなっていますが、アレンジなどにどこか懐かしいものを感じられるし、プログレ出身らしいアーティスティックな感性もあります。聴けば聴くほどに味わいのある作品ではないでしょうか。
 多くの期待していたプログレ・ファンにとっては、期待にこたえられなかった作品と評価されているようですが、プログレ云々を別にして、ヨーロッパらしい美しさと奥行きの深さを感じさせるポピュラー・ミュージックとして聴けば、なかなかの好盤といえるでしょう。

(1999.12.05)








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