1: HOMO HOMINI LUPUS
2: IL LATO SPORCO DI NOI
3: GIRO TONDO
4: BANDANDO
5: PLOVI BARKO
6: STANOTTE DIO CHE COSA FAI?
7: LA FINE
8: CERTE COSE
9: OJKITAWE
10: I GIARDINI DI HIROSHIMA
11: FUMO
produced by FABRIZIO RIZZOLO & LOCANDA DELLE FATE
Locanda delle Fate are;
OSCAR MAZZOGLIO: Keyboards, Accordion, Mellotoron & Hammond B3
EZIO VEVEY: Guitars & Vocals
ALBERTO GAVIGLIO: Vocals, Acoustic Guitars & Flute
with;
LUCIANO BOERO: Bass & Fretless Bass
GIORGIO GARDINO: Drums & Percussions
1977年にたった1枚のアルバムを発表し、その後シーンから消えてしまったシンフォニック・プログレッシヴ・グループの再結成アルバムです。
往年の名グループの再結成ということで、プログレ・ファンの多くがそれなりの期待を寄せていたのですが、できあがってきたアルバムは、音楽スタイル的に非常に微妙な位置にある作品でした。
そのポップな作風は、もはやプログレとはいいがたいです。かといって、いわゆるポップスかというと、やはりプログレッシヴ・フィールドの作品に近いように思います。そういった点で、リスナー層の位置づけが非常にむずかしいといえるでしょう。
そういったジャンル的な曖昧さはありますが、内容自体はクリアでしっかりした演奏にヨーロッパらしいメロディが乗り、地味な印象ながらもクオリティは高いです。
結局はプログレ出身のポップ・ロック・ファン、あるいは古いプログレにも興味のあるポップ・ロック・ファンあたりが、いちばん楽しめるのでしょう。
たとえばもう少し、ロックとしてのダイナミズムを強調するとか、あるいはポップスとしてのなじみやすさを強調するとかすれば、リスナー層もはっきりしたのでしょうが、あえてそうしなかった(それとも、できなかった?)あたりが、プログレッシヴ・アーティストとしてのこだわりなのかもしれません。
現代的に洗練された楽曲、録音にはなっていますが、アレンジなどにどこか懐かしいものを感じられるし、プログレ出身らしいアーティスティックな感性もあります。聴けば聴くほどに味わいのある作品ではないでしょうか。
多くの期待していたプログレ・ファンにとっては、期待にこたえられなかった作品と評価されているようですが、プログレ云々を別にして、ヨーロッパらしい美しさと奥行きの深さを感じさせるポピュラー・ミュージックとして聴けば、なかなかの好盤といえるでしょう。