1: QUALCOSA DI GRANDE
2: UN GIORNO MIGLIORE
3: 50 SPECIAL
4: RESTA CON ME
5: VORREI
6: SE CI SARAI
7: METRO'
8: NIENTE DI PIU'
9: CARA MAGGIE
10: ZAPPING
11: QUESTO PIANOFORTE
12: SILVIA STAI DORMENDO
prodotto e arrangiato da Walter Mameli
arrangiato da Cesare Cremonini
Lunapop are:
Michele "Mike" Giuliani
Gabriele Gallassi
Nicola "Ballo" Balestri
Cesare Cremonini
Alessandro "Lillo" De Simone
hanno inoltre partecipato alla registrazione:
Andrea Morelli - chitarre
Fabio Sartoni - batteria
Ronny Aglietti - basso
Paolo Ghetti - basso
Andrea "Gnocco" Valfre' - ottimizzazione midi
Alan Benedetti - suoni chitarre
1999年から2000年にかけて、イタリアで大ヒットしたアルバム。
最近では、すっかり英米のポップスにチャート上位を占められているイタリア・ポップス界。売れるのはAdriano Celentano(アドリアーノ・チェレンターノ)やVasco Rossi(ヴァスコ・ロッシ)など、一部のヴェテラン程度といった状況のなか、デヴューしたばかりのグループがこれほど売れ続けるというのは、ちょっとした快挙といえるでしょう。
そのうえ、メンバーの年齢がみな若い。この大ヒット・アルバムをつくったのは、ボローニャ出身の10代の若者たちなんです。
最近の若いカンタウトーレたちには、近代的なブリット・ポップに対する憧れが強いのかなと感じさせる人が多くいます。イタリアならではのメロディの充実感よりも、ブリティッシュ・ギター・ポップやニューウェーヴ風の金属的なガチャガチャした音を出すことに興味があるように思います。
ポップ・ミュージック界の流れがそういう方向に行っているからといってしまえばそれまでですが、ポピュラー・ミュージック全体がロック化、あるいはR&B化していくなかで、タイプとしての多様性を失い、そのうえ各国ごとの色合いまでをも失いかけているのは、とても気になるところです。
若手の多くの指向が英米のチャートものポップ・ロック路線に向いているなかでデヴューしたLunapop(ルナポップ)のこのアルバムは、そういった方向性とは違った意識を持ってつくられています。
曲の感じがイギリス風という点では共通点がありますが、彼らのアルバムに聴かれるのは、最近のチャート系音楽へのシンパシーではなく、もっと古い時代のブリティッシュ・ポップ、たとえばElectric Light Orchestra(エレクトリック・ライト・オーケストラ。ELO)やElton John(エルトン・ジョン)などとおなじ肌触りのポップ・テイストなのです。日本でいうなら、たとえば奥田民生やthe Brilliant Green(ブリリアント・グリーン)、My Little Lover(マイ・リトル・ラヴァー)やMr.Children(ミスター・チルドレン)などに通じる指向です。
つまり、ポップスが「歌」としての美しさと楽しさを持っていた時代のブリティッシュ・ポップを、思い起こさせるのです。そういったアトモスフィアのなかに、イタリアらしいメロディ志向が息づいています。
なだらかでやわらかいメロディ、美しいコーラス、おだやかな時代を思わせる古き良きポップ・ロック・スピリットが、現代の若者たちにより、はつらつと演奏されます。この感覚を失わずにキャリアを重ねていけば、より味わい深さを持ったイタリアン・ポップス・グループになるでしょう。
洋楽ポップス・ファンのためのイタリアン入門用としても、推薦できるアルバムです。