MASSIMO BUBOLA


DOPPIO LUNGO ADDIO (1994年)

   マッシモ・ブボラ / ドッピオ・ルンゴ・アッディオ
    (POLYGRAM ITALIA: 522 347-2 / イタリア盤CD)



    jacket photo
  1. UN SOGNO DI PIU'
  2. DOPPIO LUNGO ADDIO
  3. UN UOMO RIDICOLO
  4. ALI ZAZA'
  5. NIENTE PASSA INVANO
  6. GAELTARRA
  7. IL CIELO D'IRLANDA
  8. CENTO VOLTE
  9. DOSTOEVSKIJ
  10. TUTTI ASSOLTI


produzione e arrangiamenti: PIERO FABRIZI

Elio Rivagli: batteria, tamburello, triangolo
Pier Michelatti: basso
Paolo Costa: basso
Piero Fabrizi: chitarre, mandolini, tastiere, cori
Vincenzo Mancuso: chitarre
F.Saverio Porciello: chitarre
Vittorio Cosma: organo hammond, pianoforte, tastiere
Roberto Vernetti: programmazione
Demo Morselli: tromba
Claudio Pascoli: sax
Naco: percussioni
Alessandro Simonetto: violini, fisarmonica
Fabio Rinaudo: uilleann pipes
Fiorella Mannoia: cori
Lalla Francia: cori
Lola Feghali: cori







 1990年代後半以降の作品はいなたいブルーズ・フォーク的な印象の強いMassimo Bubola(マッシモ・ブボラ)ですが、94年にリリースされたこのアルバムには、いなたい印象はほとんどありません。エレキ・ギターの音に多少、引きずるような重さを感じるところはあるものの、全体の印象は明るいイタリアの陽射しを感じさせるフォーク・ミュージック。高音がきれいに出たアコースティック・ギターの音色からは、地中海音楽的なキラキラした輝きも感じられます。

 自分が最初にMassimoの名前を知ったのは、Fabrizio De Andre'(ファブリツィオ・デ・アンドレ)がPremiata Forneria Marconi(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ。PFM)を従えて行なったコンサートを収録したライヴ盤『In concerto vol.1』(1979年)『In concerto vol.2』(1980年)のクレジットからでした。このコンサートでは、その前にリリースされたアルバム『Rimini』(1978年)からの曲が多く演奏されたのですが、この『Rimini』にMassimoは楽曲製作で全面的に参加しています。
 ライヴ盤では、PFMの高い演奏力とFabrizioの奥行きのある声に支えられたメロディがとてもみずみずしく、さすがイタリアでナンバーワンのロック・グループ&カンタウトーレだと感じたのと同時に、作曲者であるMassimo Bubolaの名前も強く心に残りました。

 1994年にリリースされたMassimoのこのアルバムには、Massimoが参加したFabrizioのアルバムにも通じるような、やわらかくおだやかな、だけど力強い歌が感じられます。
 もちろん、MassimoとFabrizioではもともと持っている音楽の方向性や表現方法の特性が違うので、演奏される音楽の肌合いも違ってきます。でも、1990年代後半以降のMassimoの作品からは、なぜFabrizioがパートナーにMassimoを選んだのかがわからなかったのが、このアルバムを聴くと、なんとなくつながりが見えてくる気がするのです。

 このアルバムで聴かれるキラキラ感は1996年の『Amore & Guerra』でも聴かれますが、それ以降は重い感じのブルーズ・タッチが強くなっていきます。
 Massimoのアルバム・デヴューがいつで、これまでに何枚のアルバムをリリースしているのかは知らないのですが、東京・高田馬場にあるイタリアン&フレンチ・ポップスの専門店「Casa Bianca」の福田店長がいうには、このアルバムまでが地中海的な香りがあり、カンタウトーレ作品としてよいものなのだそうです。このアルバムよりも古い作品は、残念ながらほとんどCDショップで見かけないのですが、Fabrizioの『Rimini』に参加した1978年ごろの作品を見かけることがあったら、ぜひ聴いてみたいという気になります。

 適度な重さとほどよい緊張感、心地よい地中海的明るさのある、なかなか愛らしいアルバムです。

(2001.12.16)







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