1: CANTO PER TE
2: BLAZENKA
3: SO CHE TORNERAI
4: VALZER DI BIANCA
5: TU O LEI
6: ...E ORA COSA MI RESTA DI TE
7: CANTICO ALL'AMORE
8: ARGENTINO BRUNO
9: VIVO!
10: NOTTE SOLA
11: L'IDIOTA
produzione ed arrangiamenti: Umberto Iervolino
testi e musiche: Marco Di Mauro
Lele Melotti: batteria
Riccardo Fioravanti: basso, contrabasso
Giorgio Secco: chitarra
Umberto Iervolino: pianoforte, tastiere, computer programming
Massimo Luca: chitarre
Fabio Treves: armonica
Naco: percussioni
Angelo Branduardi: violino solista in "Cantico all'amore"
Carmen Consoli: voce femminile in "Cantico all'amore"
Marco Di Mauro(マルコ・ディ・マウロ)という人の名前を聞くのははじめてですが、アルバムのリリース元がFonit Cetraというだけで、個人的にはなんとなく「よさそう」な印象を持ってしまいます。ジャケットも落ち着いた感じで、期待を持たせます。
ジャケットやレーベルから、もう少しカンツォーネ的なものが出てくるかと想像していたのですが、意外とさわやかで明るく美しいポップスでした。オーケストレーションも適度に入っていて、「よさそう」な期待を裏切ることはありませんでした。
やわらかい曲が多く、歌い方も素直で、その点で個性が弱めだとはいえますが、イタリアン・ポップスとしての水準はクリアしているでしょう。
なかでも7曲目の「Cantico all'amore」は、なかなかの聴きものです。フォーク・タッチのさわやかな曲が多いこのアルバムのなかでは、ちょっと浮いているともいえますが、トラッド色、中世色の強いドラマティックなものになっています。
この中世吟遊詩人的な感覚は、どことなくアルバム『Tales form the Twilight World』や『Somewhere Far Beyond』のころのBlind Guardian(ブラインド・ガーディアン。ドイツのメロディック・スピードメタル・グループ)を思わせます(もちろん、Marco Di Mauroはハードロック/ヘヴィメタルではありません)。
また、この曲にはゲストとしてAngero Branduardi(アンジェロ・ブランデュアルディ)が参加しています。これもまた、この曲に中世的な趣を加えるのに役立っているのでしょう。
さらに、女性ヴォーカルでCarmen Consoli(カルメン・コンソーリ)も参加し、深みと哀愁に満ちた歌声を聴かせてくれます。Carmen Consoliって、もっとおしゃれでポップなイメージを持っていたのですが、こういった情感に満ちた歌を歌うと、思いのほか心に染みます。
これで、Marco自身にもう少し強い個性があれば、さらに名曲になったであろうと思わせるのが残念です。
これ1曲のためだけに買っても損はないといえるほどの曲ではありませんが、他のフォーク・タッチの曲も全体的にいい感じで、自分としては充分に楽しめる愛らしい作品です。