MARCO MASINI


RACCONTAMI DI TE (2000年)

   マルコ・マジーニ / ラッコンタミ・ディ・テ
    (BMG RICORDI 74321743422 / イタリア盤CD)



jacket photo   1: RACCONTAMI DI TE
  2: PROTAGONISTA
  3: PARLO DI NOI
  4: ABBRACCIAMI
  5: C'E' QUALCOSA DI PIU'
  6: A 200 ALL'ORA
  7: ANCORA VITA E'
  8: IL GIORNO DI NATALE
  9: NON TI FIDARE DI ME
 10: SE POTESSI RINASCERE
 11: 10 ANNI


prodotto da MARCO MASINI
produzione artistica: MARCO MASINI e BEPPE DATI

Massimiliano Agati: batteria
Lorenzo Poli: basso
Antonello "Compress" Coradduzza: chitarre
Marco Masini: pianoforte, tastiere
Davide Guidoni: tromba
Andrea Giuffredi: tromba
Mauro Ottolini: trombone
Alessandro Bertozzi: sax
Massimiliano Agati, Stephen Head, Goffredo Orlandi: programazzioni







 スケール感のあるゆったりとした曲とアレンジ、暑苦しくも哀愁たっぷりな熱唱型ひび割れヴォーカルが魅力の、フィレンツェ出身のカンタウトーレ、Marco Masini(マルコ・マジーニ)。前作『Scimmie』は、自分は聴いていないのですが、それまでの作風とまったく違うアルバムで、残念ながら、ファンのあいだでは不評でした。ジャケットも、それまでの写真を使った落ち着いた感じのものから、前作では猿をモチーフにした変なイラストに変わり、口の悪い人には「音楽も猿になった」などともいわれたようです。
 それを反省してか、今作『Raccontami di te』では、昔ながらの作風に戻っています。ゆったりとした曲想に哀愁のあるひび割れヴォーカルは健在で、ファンのなかには、このアルバムを彼の最高作と呼ぶ人もあるそうです。

 Marcoは音楽キャリアの初期を、クラシック・オーケストラのコンサート・ピアニストとして過ごしました(まだロー・ティーンのころだというから、驚きです)。
 そういったキャリアが反映されたのか、彼の初期のアルバムは非常にドラマティックで、ときには壮大ですらあるオーケストレーションが施されており、「イタリアの熱い魂を聴け!」といわんばかりの熱唱とあいまって、独特の音世界をつくりだしていました。いくぶん粗くはありましたが、その粗さがいかにもイタリア的で魅力だったともいえます。

 アルバムを出すごとにミュージシャン・作曲家としての技量を高め、よりなめらかな作風に変わってきたように感じるMarco Masini。ポップ・ミュージックとしてのクオリティはあがっていますが、個性の強さという点では多少、平均的な方向へ行っているともいえます。
 今作も、その流れのうえにあります。メロディもヴォーカルも非常にMarco Masini的で、ドラマティックなポップ・ミュージックが聴けます。初期の作品のような粗さはなく、流れるような展開が楽しめます。

 ただ、その「引っかかりのなさ」が逆に、自分にとっては少しつまらなくもあります。一般的にはこういった作風のほうが好まれるのだろうと思いますが、イタリアン・メロディにはやはり、ある種の強引さがあってほしいのです。
 その点で考えれば、個人的には1993年にリリースされた『T'innamorerai』のほうが、Marcoらしい好盤と感じます。

 ところで、この『Raccontami di te』には、コーラスのところにSilvia Mezzanotte(シルヴィア・メッツァノッテ)という名前が載っているのですが、これってMatia Bazar(マティア・バザール)3代目歌姫の彼女なのでしょうか?

(2001.02.18)








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