1: BRIVIDO CALDO
2: VORREI AVERTI QUI
3: NON ABBASSARE GLI OCCHI
4: SOLO TU
5: TU DOVE SEI
6: ASPETTANDO TE
7: FUORI DA TUTTO
8: VACANZE ROMANE
9: FINIRA' QUESTA NOTTE
10: TI SENTO
11: UN GIORNO D'APRILE
12: CAVALLO BIANCO
13: SISSY
prodotto da PIERO CASSANO e GIANCARLO GOLZI per Bazar Music
assistenza alla produzione: Fabio Perversi e Maurizio Macchioni
SILVIA MEZZANOTTE: voce
FABIO PERVERSI: programmazione, piano, tastiere, violino
PIERO CASSANO: voce, tastiere
GIANCARLO GOLZI: batteria
cori: SILVIA, PIERO e MAURIZIO
chitarre: MAURIZIO MACCHIONI, ROBERTO CECCHETTI, CARLO MARRALE
arrangiamento: FABIO PERVERSI, PIERO CASSANO
オリジナル・メンバーであるPiero Cassano(ピエロ・カッサーノ)の復帰、新ヴォーカリストへの交代、そして記念すべき第50回サンレモ音楽祭への出場で復活したMatia Bazar(マティア・バザール)。
Matia Bazarというとどうしても、歌姫Antonella Ruggiero(アントネッラ・ルッジェーロ)の印象が強くありますが、Antonellaがグループを去ってから、もう10年にもなります。その後、Matiaの歌姫はLaura Valente(ラウラ・ヴァレンテ)に替わり、数枚のアルバムをリリースしましたが、20世紀最後のサンレモ音楽祭でファンの前に姿をあらわした彼らは、また新しい歌姫を擁していたわけです。
新歌姫、Silvia Mezzanotte(シルヴィア・メッザノッテ)参加後初の作品となるこのアルバムには、新曲だけでなく、Antonella時代の名曲のセルフカバーも収録されていて、新生Matia Bazarとしては前哨戦、予告編といった印象を受けます。
Silviaのヴォーカルは伸びやかで明るく、前任のLauraよりもほんの少しだけ、Antonellaに印象が近いかもしれません。また、Pieroが復帰していることもあってか、曲の印象も初期のMatia Bazarに近いように感じます。
ただ、Antonella、Laura、Silviaと3人の歌姫を並べてみると、Antonellaの突出はしかたがないにしても、個性や存在感という点でSilviaはちょっとばかし分が悪いのではないでしょうか。
偉大な歌姫のあとを継いだLauraは、多くのMatiaファン、Antonellaファンからいろいろといわれたようではありますが、前任者から受け継ぐべきところは受け継ぎながらも、ヴォーカリストLauraとしての個性や力強さを発揮していました。
しかしSilviaは、参加1作目という点を差し引いても、もうひとつ強さ、押し出しといったものがたりないのです。歌はうまいのですが、どちらかというと平凡なヴォーカリストではないかと感じます。とくに高音部の細さ、力のなさが前任2人にくらべて目立ってしまうため、旧曲のカバーはあまりSilviaに合いません。
アルバム全体の曲想やメロディン展開などは、旧曲、新曲とも、Matiaらしさにあふれたもので、それほど違いを感じませんが、ヴォーカルのタイプがやわらかくおだやかなので、これまでのMatiaよりもムーディな印象を受けます。Silviaの歌を生かすには、以前のような躍動的なメロディよりも、よりなめらかでムーディなもののほうがよいように感じますが、そうすると、Matiaというグループが、意外と普通のありふれたポップス・グループになってしまいそうな不安もあります。
Silviaにはもっと伸び伸びと、そして力強い、Matia Bazarというグループが持っている音楽に負けない歌を期待したいところです。