MATIA BAZAR


MESSAGGI DAL VIVO (2002年)

   マティア・バザール / メッサッジ・ダル・ヴィーヴォ
    (BAZAR MUSIC / SONY MUSIC ENTERTAINMENT: BZR 507686-2 / オランダ盤CD)



    jacket photo
  1. MESSAGGIO D'AMORE
  2. RITOMO DELLA LUNA
  3. C'E' TUTTO UN MONDO INTORNO
  4. DEDICATO A TE
  5. LA PRIMA STELLA DELLA SERA
  6. TI SENTO
  7. BRIVIDO CALDO
  8. ASPETTANDO TE
  9. STASERA CHE SERA
  10. PER UN'ORA D'AMORE
  11. CAVALLO BIANCO
  12. VACANZE ROMANE
  13. QUESTA NOSTRA GRANDE STORIA D'AMORE
  14. FUORI DA TUTTO
  15. SOLO TU
  16. NON ABBASSERE GLI OCCHI
  17. E DIRSI CIAO


produced by PIERO CASSANO and GIANCARLO GOLZI

Silvia Mezzanotte: vocals
Fabio Dervesi: keyboards, violin
Piero Cassano: keyboards, guitars
Giancarlo Golzi: drums, percussion








 1976年にアルバム・デヴューして以来、現在も現役で活動を続けているMatia Bazar(マティア・バザール)。この間に20枚ほどのアルバムをリリースしていますが、ライヴ・アルバムはこれがはじめてというのが少し不思議な感じです(セカンド・アルバム『Granbazar』はLPの片面がライヴ収録でしたが、もう片面はスタジオ収録でした)。

 2002年のサンレモ音楽祭参加曲(そして、この年の優勝曲)であるM1「Messaggio d'amore」と、続くM2「Ritmo della luna」はスタジオ収録の新曲、M3以降は2000年のBrivido Caldo tourと2001年のDolce Canto tourからのライヴ収録となっています。
 ライヴでは「Stasera che sera」や「Cavallo bianco」といった初期の曲から「Vacanze romane」や「Ti sento」といったおなじみの曲、そして「Brivido caldo」や「Questa nostra grande storia d'amore」といった最近の曲まで、まんべんなく演奏されています。

 Antonella Ruggiero(アントネッラ・ルッジェーロ)がヴォーカルだったころの曲では、どうしてもAntonellaと現歌姫であるSilvia Mezzanotte(シルヴィア・メッツァノッテ)のヴォーカルを比較してしまいますが、Silviaはとくに気負うことなく、のびのびと歌っているように感じます。

 Antonellaの歌には、どこかきらきらとした光の粒が空から降ってくるような、天上の輝きのようなものを感じることが多くありましたが、Silviaの歌にはもっと世俗に近い、身近な安心感と安定感があります。そしてそれが、Antonella時代の曲にもSilviaなりの魅力として発揮されているように思います。

 とはいってもやはり、旧曲と最近の曲とでは、最初からSilviaが歌うことを前提につくられたのであろう最近の曲のほうが、Silviaの声質やヴォーカル・スタイルに合っています。Silviaの歌が曲自体の魅力を十二分に発揮するのは、やはりSilvia参加後の曲だといえます。
 逆にいえば、Antonella時代の曲はやはりAntonellaのヴォーカルでライヴが聴きたいところです。

 しかし、そういったことを差し引かなくても、長期にわたって人気グループであるMatia Bazarの魅力が充分に伝わるライヴ・アルバムだと思います。
 スタジオ収録のM2が終わり、ライヴ収録のM3「C'e' tutto un mondo intorno」の演奏が始まる前の観客のアカペラによる「Brivido caldo」のサビの合唱が聞こえてきただけで、もうMatia Bazarの世界に入っていけてしまいます。

 演奏自体は少しあっさりめで、とくにドラムはリズムマシーンの単調さが目立ってしまうところもありますが、その分をPiero Cassano(ピエロ・カッサーノ)のキーボード・ワークとSilviaの歌が十分に補っています。できれば、やはり専属のギタリストがほしいところではあります。

(2002.08.31)







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