1: C'E UN PAESE AL MONDO
生命(いのち)の故郷(ふるさと)
2: FASE
位相
3: AL MANCATO COMPLEANNO DI UNA FARFALLA
蝶の忘れられた誕生日
4: ELZEVIRO
エルゼヴィール
5: MERCANTI DI PAZZIE
狂気の商人達
6: ANTICHE CONCLUSIONI NEGRE
黒人たちの古(いにしえ)の結末
MAXOPHONE;
Sergio Lattuada: pianoforte, organo, piano el., voci
Roberto Giuliani: chitarre, pianoforte, voci
Leonardo Schiavone: clarinetto, flauto, saxofono
Maurizio Bianchini: corno, tromba vibrafono, percussioni, voci
Alberto Ravasini: basso, chitarre, flauto dolce, voce solista
Sandro Lorenzetti: batteria
Tiziana Botticini: arpa
Eleonora De Rossi e Susanna Pedrazzini: violini
Giovanna Correnti: violoncello
Paolo Rizzi: contrabasso
prodotto da SANDRO COLOMBINI
Maxophone(マクソフォーネ)といえば、なんといてもフレンチ・ホルン(corno)です。ゲストでなく、パーマネントなメンバーのなかにフレンチ・ホルン奏者がいるグループなんて、ほかに聞いたことがありません。
そもそも、フレンチ・ホルンってどんな楽器でしたっけ? 長ーい木をくりぬいてつくるのはアルペン・ホルンでしたよね。
音楽的にはプログレッシヴ・ロックならではの、さまざまな要素を持ったものになっています。ロックをベースに、ジャズ要素、クラシック要素、そしてイタリアならではの歌の世界も入れ替わり立ち代わり顔を出します。
それらが楽曲として破綻なく構成されているところに、グループの作曲・アレンジ能力の高さを感じます。
そして、要所要所で聴かれるフレンチ・ホルンのおおらかな響き。ギターの音色などは比較的荒くハードで、ロック・パートでは暴れるドラムとともに力強い演奏を展開しますが、そのなかに現われるフレンチ・ホルンのほのぼのとした響きとの落差がおもしろいです。リード楽器として前面でメロディを奏でるときだけでなく、バック・アンサンブルのなかで奏でられているときでも、曲の印象に強い影響を与えます。
スロー・パートはもちろん、ハードなパートでも、その音色が聴こえてくるだけで、おおらかで、善良で、どこかユーモラスな感じさえ与えてしまうフレンチ・ホルンという楽器は、ある意味でとても個性の強い楽器といえるでしょう。そして、この楽器によって与えられるイメージこそが、Maxophoneを幾多のプログレッシヴ・ロックから際立たせたものにしていると思います。
音楽性としては、Premiata Forneria Marconi(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ。PFM)を意識した部分があるのかもしれません。PFMにも通じるようなクラシカルな叙情性とジャズ・ロック的な力強さ、そしておおらかな明るさを感じさせます。
トータルの演奏力ではPFMにかないませんが、良質なイタリアン・シンフォニック・プログレッシヴだといえます。