prodotto da GIOVANNI SANJUST e GABRIELE VARANO
arrangiamenti e realizzazione di Amedeo Minghi, Mario Zannini Quirini, Marco Petriaggi
tastiere: M. Zannini Quirini
chitarre: M. Petriaggi
ritmiche: D. Wilson
programmazione: M. Petriaggi
収録曲の大半がAmedeo Minghi(アメデオ・ミンギ)の曲によるMietta(ミエッタ)のアルバム。そのためもあってか、アルバムの印象がとてもAmedeoっぽい。
Miettaは素直でなめらかな声をしたシンガーですが、ヴォーカリストとしての個性は弱く、Miettaらしさのようなものが希薄だと思います。そのため、曲のイメージに引きずられてしまう、曲次第でよくも悪くもなるタイプのシンガーではないでしょうか。与えられた曲によって「Miettaの歌」の印象が違ってしまう感じがあるのです。
このアルバムではAmedeo風な感じが強く出ていますが、ソロ・シンガーのアルバムとしてどうかはともかく、作品としてはそれなりにまとまりのあるものになっているといえるでしょう。
アルバム・トップにはAmedeoとデュエットした1990年のサンレモ音楽祭参加曲「Vattene amore」が収録されています。サンレモ音楽祭ではToto Cutugno(トト・クトゥーニョ)とともに2位をわかちあったらしいですが、正直にいって、デュエットの意味がほとんどないと思います。
Miettaをメインに、部分部分でAmedeoの声がかぶさるのですが、ユニゾンでメロディを追いかけているだけで、ハーモニーになったりカウンターメロディをとったりといったことはないために、歌に広がりは出ません。また、ふたりの声質が違うために声の調和もなく、かえって曲の透明感を損ねています。
M6に同曲をMiettaがひとりで歌ったヴァージョン(たんにAmedeoの声を抜いただけだと思いますが)も収められているのですが、こちらのほうが圧倒的に曲としてのバランスやまとまりがよくなっています。
この曲に限ったことではないのですが、Amedeoがつくった曲はやはり、Amedeo本人があの声で、あの歌い方で歌ったほうが、曲の魅力が引き立ちます。もともとAmedeoって、メロディ・メイカー的な部分はあまり強くなく、アレンジと本人の歌の個性で聴かせる面が強いように思うのですが、そういった特性を持ったAmedeoの曲を歌うには、Miettaのシンガーとしての力量はあまりにも低いのではないでしょうか。
とはいえ、Amedeoらしい曲が多く、アレンジもAmedeo本人やAmedeoのアルバムにも参加しているMario Zannini Quirini(マリオ・ザンニーニ・クィリーニ)が担当していますし、「L'immenso」なども収録されているので、Amedeoファンにはそれなりに聴きどころのあるアルバムだと思います。
Amedeo作による「La farfalla」は、途中でMike Oldfield(マイク・オールドフィールド)の「Tubular Bells」(映画『エクソシスト』のテーマ、といったほうがわかりやすいのかな?)のようなフレーズが出てきたり、どことなくAnge(アンジュ)だったかAtoll(アトール)だったかのフレンチ・プログレッシヴ・グループの曲にあったようなメロディが出てきたりと、ちょっと気になる曲です。
Amedeo作でない曲も、全体的にゆったりとしたアレンジが施されていて、なんとなく統一感があるのですが、M4の「Cuore di metallo」だけはかなり異なった印象があります。リズムの強調された派手なアレンジが施されていて、でもそのわりにはあまり盛り上がらない……。Miettaのシンガーとしての平凡さも強調されてしまったような気がします。