arrangiamenti di Massimiliano Pani
batteria: Alfredo Golino
basso: Charly Cinelli
contrabbasso: Massimo Moricni
chitarre: Gogo Ghidelli
pianoforte e Hammond: Danilo Rea
tastiere, pianoforte e programmazione: Nicolo' Fragile
cori: Manu' Cortesi, Giulia Fasolino, Massimiliano Pani, Silvio Pozzoli
tromba: Emilio Soana
sax: Gabriele Comeglio
trombone: Mauro Parodi
armonica: Alberto Borsari
大物女性歌手のMina(ミーナ)が、大物ポップ・スターのRenato Zero(レナート・ゼロ)の曲をカヴァーしたアルバム。
自分はもともと女性シンガーがあまり好きではありません。Minaは有名なので、アルバムは一応1枚持っていますが、とくによいと思えません。なので、Renatoは好きなシンガーですが、Minaのこのアルバムには興味がありませんでした。
でも、ユーロ・ポップスの専門店「Casa Bianca」の林さんが「このアルバムは別! Minaが歌うことでRenatoの曲のよさが再確認できる!」とかいうので試しに聴いてみました。
結論からいってしまうと、Minaに対する自分の興味は、やはり変わりませんでした。
アルバムには1970年代から90年代まで、幅広い年代のRenatoの曲が歌われていて、曲調もスローなバラードからポップ・チューンまで幅広いのだけど、どれもやはりRenatoが歌ったほうが味わいも深みもあります。
Minaが歌うことで、Renatoが歌うのと違う付加価値や魅力が曲に与えられたといった印象は、残念ながら自分には感じられませんでした。
曲の持つメロディが美しいので、それだけで楽曲として魅力がありますが、Renatoのヴォーカルはさらに、そこに場面やストーリーを与えます。
それに対しMinaのヴォーカルは、Minaのファンの人は怒るかもしれませんが、たんにヴォーカルラインをなぞって、メロディをそのままに、落ち着いた声で表現しているに過ぎないように自分には感じられます。
M1の「Neri」ではMinaとRenatoのデュエットが聴けるのですが、圧倒的にRenatoのヴォーカルのほうが光っています。その意味では、あらためてシンガーとしてのRenatoの魅力を再確認できたとはいえるかもしれません。
ただ、Renatoのような「情景」や「ストーリー」といった「メロディ外の含み」のようなものがない分、逆にストレートでよいのかもしれません。このあたりは聴く人の好みの問題というところが強いでしょう。
実際、M7の「Amico」などは、落ち着いたストレートさが女性ならではのやわらかさ、なまめかしさを感じさせて、なかなかよい雰囲気を出しています。
突き詰めるとけっきょく、自分にはMinaやOrnella Vanoni(オルネッラ・ヴァノーニ)などのヴォーカル・スタイルが合わないのだと思います。
Renatoの曲を女性シンガーに歌わせるのなら、こういったストレートであまり揺らぎのないシンガーよりも、Fiorella Mannoia(フィオレッラ・マンノイア)とかLoredana Berte'(ロレダーナ・ベルテ)などの、雰囲気があるとかクセがあるといった特徴のある人が歌ったものを聴いてみたい感じです。
ところでアレンジを担当しているMassimiriano Pani(マッシミリアーノ・パーニ)って、Minaの息子でしたっけ?