prodotto da Pippo Landro
chitarre: Diego Arrigoni, Matteo Alberti, Massimo Caso
tastiere e pianoforte: Enrico Palmosi, Paolo Bovi
basso: Stefano Forcella
batteria: Manuel Signoretto
voci: Francesco Silvestre
cori: Francesco Silvestre, Valeria Bove
2005年のサンレモ音楽祭新人部門に「Riesci a innamorarmi」で参加したグループ。このアルバムは彼らのデビュー作で、もともとは2004年にリリースされたものにサンレモ参加曲を追加して2005年に再リリースされました。
サンレモ参加曲の「Riesci a innamorarmi」から始まるアルバム前半の数曲を聴いて、彼らも最近よくあるLunapop(ルナポップ)系の古いブリティッシュ・ポップスを思わせるノスタルジックなバラード・ポップが得意なグループかと思ったのですが、アルバムのなかには意外とロックンロール風な曲も多くあり、Lunapopよりもずっとロック色の強いグループだということがわかります。ノスタルジックな印象を持っているところは変わりませんが。
アルバムのなかではバラード・ポップ調のものとロックンロール調のものに曲調が二分されています。バラード調のものは、ちょっとこもった感じの音色のかわいらしいピアノにオーケストラも導入され、おだやかで美しいメロディを素直に楽しめます。ロックンロール調のものは、比較的平凡な印象の曲が多いのですが、中間部に静かなパートを入れたり、ほんのりとした哀愁を混ぜ込んだりと、構成やアレンジにそれなりの工夫をしています。
哀愁は漂わせているのだけど、前面に出てくる印象は明るく暖かな感じなのが好ましいです。歌い上げるようなドラマティックなメロディもあるのですが、ヴォーカルが張りと艶と声量のあるタイプではなく、どちらかというとへなちょこひ弱系なので、あまりドラマティックにも暑苦しくもならず、かえって身近な感じになって好ましいと思います。
曲のヴァリエーションが乏しい(大雑把にいって2種類しかない)のが残念ですが、個々のフレーズには、おおらかな美しさや楽しさ、ほんのりとした寂しさなど、素直に心に届く要素が多いので、これらを上手に活かして曲の幅を広げていってほしいと思います。