MARCELLO PIERI


IL CAPITANO DELLA MASNADA (1994年)

   マルチェッロ・ピエリ / イル・カピターノ・デッラ・マスナーダ
    (VISA RECORD / DISCHI RICORDI TVICD 16 / イタリア盤CD)



jacket photo   1: IL CAPITANO
  2: CHISSA' CHI SEI
  3: TU NELL'UNIVERSO
  4: NERO
  5: LE MUTANDE DEL PIGILE
  6: AL RITORNO DAL MARE
  7: SE CREDI CHE DAVVERO E' TUTTO QUI...
  8: ALESSIA O MARIAROSA
  9: UN MODO CI SARA'
 10: SEGUENDO IL FIUME


testi e musiche di MARCELLO PIERI
prodotto e arrangiato da LUCA RUSTICI







 CD屋の棚を端からひとつひとつチェックしていたときに、なんとなく“良さそうなオーラ”を感じて入手したアルバム。Marcello Pieri(マルチェッロ・ピエリ)については、名前を聞くのもはじめてだし、当然、歌を聴いたこともありません。

 基本的にはサリサリしたギターのストロークが心地よいポップスです。明るい雰囲気の曲想にメロディアスな歌がかぶさり、イタリアン・ポップスらしい美しさを持っているといえるでしょう。
 ちょっと押しつぶされたような声のカンタウトーレで、サビなどの盛り上がるところでは「もっと喉を開け!」とも思うのですが、そうはならないところがある意味、彼の個性ともいえます。

 そういう自分の声の特質を知っているからか、あまりドラマティックに盛り上がったり、パッショネイトなヴォーカルやロングトーンを聴かせることはありません。どちらかというと淡々としたメロディ展開の曲が多くあります。
 しかし、それにもかかわらず、アルバムがそれほど単調に感じないのは、Marcelloの歌声が地味ながらも味わいがあるのと、バックの演奏に変化があるからでしょう。声質や歌い方からすると、非常に地味で渋いアルバムになる要素が多分にあるのですが、ポップで明るいアレンジと演奏が、このアルバムの印象を柔らかく馴染みやすいものにしているといえるのではないでしょうか。

 ポップで明るいけれど、全体にイタリアらしいメロディや情感があります。とくにバラード系の曲ではE-bowやコーラスなどを導入し、暖かくたおやかな感じを出しています。
 なかでもオープニング曲の「Il capitano」はオーケストラを従え、繊細で透明ななかに水のような肌触りのある佳曲になっています。どことなく、Mario Castelnuovo(マリオ・カステルヌオヴォ)の曲を思い起こさせます。

 つまるところ、CD屋の店頭で感じた“良さそうなオーラ”はハズレではなく、自分の好みからははずれていない、楽しめる作品でした。

(2000.06.17)








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