"STELLA 'E MATINA"
1: SENZA GIACCA E CRAVATTA
2: IO E TE NU JUORNO
3: 'A MUNTAGNA E' CADUTA
4: VOGLIO PENZA' A TE
5: TUTTOCOSA
6: CHE M'HE FATTO
7: NAPULE 'E STANOTTE
8: STO ASPETTANNO
9: 'E CAREZZE 'E MARE
10: NOTTE 'E MAGGIO
"OMAGGIO AI CLASSICI"
1: PISCATORE 'E PUSILLECO
2: IO M'ARRICORDO 'E TE
3: SERENATA NAPULITANA
4: IO TE VURRIA VASA'
5: FUNTANA ALL'OMBRA
6: ANGELA
7: LU CARDILLO
8: CATARI'
prodotto: NINO D'ANGELO
arrangiamenti: NUCCIO TORTORA, ALBERTO LAURENTI, PEPPE COZZOLINO
fisarmonica: CLAUDIO CATALLI
basso: PIPPO MATINO
batteria: AGOSTINO MENNELLA
percussioni: AGOSTINO MENNELLA, GIORGIO RIZZO
chitarra: FRANCESCO PONZO, LUCA RUSTICI, ALBERTO LAURENTI
violino: MICHELE SIGNORE, OLEN CEZARI
ciaramella: MIMMO MAGLIONICO
flauto: DANIELE SEPE
programazzione e tastiere: NUCCIO TORTORA, ALBERTO LAURENTI, PEPPE COZZOLINO
oud, chitarra portoghese, mandolini, ottavino: GINO EVANGELISTA
cori: BURUNELLA SELO, SOFIA BACCINI
2枚組CDで、1枚にはNino D'Angelo(ニーノ・ダンジェロ)のオリジナル曲、もう1枚には古いナポレターナなどが収録されています。
オリジナル曲を収録したCD『Stella 'e Matina』のほうは、Ninoらしい南イタリアの哀愁を感じさせる感傷的な曲が聴けます。彼の音楽にはオリジン・ミュージック的なアレンジが頻繁に聴かれますが、印象としてはイタリアというよりスペインなどの、ジプシー音楽、流浪の民ふうな感じが強いと思います。
長いキャリアを持ち、リリースしたアルバムの数も何十枚という単位になるNinoですが、このアルバムでは持ち味のオリジン・ミュージック風味がすっきりと整理され、ワールド・ミュージックのような印象を受けるかもしれません。そういう意味では彼のアルバムのなかでも、一般のイタリアン・ポップス・ファン、ユーロピアン・ポップス・ファンにも聴きやすいアルバムではないでしょうか。
独特の哀愁を持ったNinoの声とメロディは、素朴ながらも人間らしさにあふれています。非常にいいカンタウトーレだと自分は思っているので、たくさんの人に彼の唄を聴いてもらいたいです。
アルバムのトップに収録された「Senza Giacca e Cravatta」は1999年のサンレモ音楽祭参加曲です。
活動歴の長いNinoですが、サンレモに参加するのはこれがはじめてだそうで、そのためか、この曲はアレンジ等がやりすぎな感じがします。一般の音楽ファンに対して少しでもわかりやすいアプローチをしようと狙ったのかもしれませんが、ゴテゴテとしたアレンジはかえって彼の本来の魅力を薄めてしまっているように思います。
それにたいして「Napule 'e Stanotte」などは地味ながらもナポリらしい名曲で、彼にはこういう素朴な曲のほうが似合います。
もう1枚のCDのほうは『Omaggio ai Classici』というタイトルがつけられ、古いイタリアの曲が奇をてらわない素直なアレンジで唄われています。
いわゆるカンツォーネやナポリターナといっていいのかと思いますが、いい具合に力の抜けた、落ち着いた唄と演奏は、イタリアン・メロディの持つ典型的な美しさを身近に感じさせます。ここでも彼のヴォーカルの持つ暖かさと優しさが、充分に魅力を発揮しているといえるでしょう。
収録曲の「Angela」はil Giardino dei Semplici(ジャルディーノ・デイ・センプリーチ)も歌っていますが、若者の恋愛を感じさせるような彼らのアレンジとは違い、Ninoはもっと大人びた、都会の夜が似合うような落ち着いた曲に仕上げてあります。
ところで、Andrea Bocelli(アンドレア・ボチェッリ)も自身のアルバム『Viaggio Italiano』で歌っている「Io Te Vurria Vasa'」という曲は、Fausto Leali(ファウスト・レアーリ)とVincenzo Spampinato(ヴィンチェンツォ・スパンピナート)がつくってLealiが唄った「Con Chi Mi Scorderai」という曲とテーマメロディがおんなじなんですが、メロディを引用したんでしょうか?