NADA


NADA (1969年)

   ナーダ
    (RCA ITALIANA / BMG RICORDI: 74321860292 / イタリア盤CD)



jacket photo
  1. SENZA TE
  2. MA CHE FREDDO FA
  3. DAI, VIENI QUI
  4. CUORE STANCO
  5. RITORNERA' VICINO A ME
  6. PER TE PER ME
  7. BIANCANEVE
  8. SEI TU RAGAZZO MIO
  9. UNA RONDINE BIANCA
  10. UNA DONNA SOLA
  11. LES BICYCLETTES DE BELSIZE
  12. YELLOW SUBMARINE


produzione: Franco Migliacci
orchestra: Antonio Coggio, Piero Pintucci, Ruggero Cini








いかにもむかしのアイドル歌手といった写真がジャケットに見られますが、自分はこのNada(ナーダ)という人のことを知りません。人気があったのかしらん?

アーティスト名がそのままアルバム・タイトルにもなっているところを見ると、おそらくデビュー・アルバムなのでしょう。1969年にリリースされたようですが、中身はまんま、60年代のポップスですね。ちょっとビートが利いてて、ときどきハードに唸ったりして、いかにもあの頃という感じがします。

こういった曲の感じ自体はそんなに嫌いじゃないんですが、それほど好きというわけでもない。この頃の音楽っていろいろな意味で「シンプル」だから、その分「コア」となるところにクオリティの高さが要求されると思うんですね。

では「コア」とはなにかといえば、曲の場合、やっぱりメロディとヴォーカルじゃないかと。このふたつがよければ、他の部分でもどんどんクオリティを積み重ねていける。だけど、このふたつのどちらかもしくはふたつともだめだと、他の要素でのクオリティ・アップは要するにある種の「ごまかし」「はったり」といったふうに見えて(聞こえて)しまうのですよ。

このアルバムでは、「コア」のひとつであるメロディに、もうひとつ魅力が薄い感じがしてしまいます。いろんな人が曲を提供してて、Claudio Mattone(クラウディオ・マットーネ)の曲などはやはりメロディにもひきつけるものがあってさすがだなと思ったりはするのですが、アルバム全体を見ると、やはり平凡なメロディ、平凡な60年代ビート・ポップが多いかなぁと。しかもアルバムの締めは「イエロー・サブマリン」ていうのもどうなんだ?

もうひとつの「コア」であるヴォーカルについても、これといって可もなく不可もなく。これまたあの頃の女性ヴォーカルに少なくなかった、なんとなく好戦的な、少し乱暴な感じのする、投げつけるような歌い方。フランスのSandrose(サンドローズ)とかもそうですよね。こういう女性ヴォーカルのスタイルは、好きな人もいるようだけど、自分はどちらかというと苦手なんです。

そんなわけで、全体としてあまり自分には響いてこないアルバムでした。こういった、いかにも60年代なビート・ポップを聴くのであれば、このアルバムよりも、たとえばZombies(ゾンビーズ)とかを聴いたほうが全然いいよなぁと思ってしまいました。

(2005.06.04)







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