1: UNA MINIERA
2: COSA PENSIAMO DELL'AMORE
3: LEI MI DICEVA
4: QUELLA MUSICA
5: CORRO DA TE
6: SENSAZIONI
7: UNA NUVOLA BIANCA
8: ANNALISA
9: UN'ORA
10: IO CHE HO TE
11: VISIONI
12: DAVANTI AGLI OCCHI MIEI
1970年代半ばにはプログレッシヴ・グループとして数々の名作アルバムを残し、80年代以降はイタリアらしいメロディとコーラスを聴かせるポップス・グループとして多くのファンから愛され、日本にも愛聴者がたくさんいるNew Trolls(ニュー・トロルス)のセカンド・アルバム。詳しくは知らないのですが、このアルバムは基本的に、当時リリースされていたシングルを中心に収録・再構成されたものらしいです。
彼らは、ファースト・アルバムの時点ではFabrizio De Andre'(ファブリツィオ・デ・アンドレ)とGianpiero Reverberi(ジャンピエロ・レヴェルベリ)のプロデュースでトータル・アルバム的な作風を聴かせていましたが、このセカンドを聴く限りでは、当時の彼らはサイケデリック・ベースのヘヴィ・ロックを中心に演奏していたのではないかと想像できます。
全編を通して歪んだトーンのオルガンとファズ・ギターの重い音が聴け、その後ろでドラブがドタバタと暴れる様は、Formula 3(フォルムラ・トレ)の初期や、Matia Bazar(マティア・バザール)の前身グループとして知られるJ.E.T.(ジェット)のアルバムを思い出させます。New Trollsの名作として知られる『Concerto Grosso』を聴いたことのある人は多いでしょうが、Luis Enriquez Bacalov(ルイス・エンリケス・バカロフ)が作曲・アレンジしたLPのA面ではなく、フリー・インプロによるB面、もしくはA面でもJimi Hendrixに捧げられた4曲目「Shadows」に、バックの演奏のイメージは近いでしょう。
そういう点では古臭いロックだし、個人的な好みからいっても聴きとおすのは少しつらいと感じもおかしくないアルバムです。実際、Formula 3のファースト・アルバムは通して聴くのがつらい自分です。でも、New Trollsのこのアルバムは、まったくつらさを感じずに、通して聴けるのです。
それは、彼らの持つ歌メロが、この頃も、のちのプログレ時代、ポップス時代も、基本的に変わっていないからなのでしょう。わかりやすく盛り上がる展開、伸びやかなヴォーカル、そして人懐こい美しさを持ったメロディは、イタリアン・ポップスの魅力にあふれています。
やはりNew Trollsは、メロディの国イタリアに生まれた、もっともイタリアらしいグループのひとつといえるでしょう。
(2000.06.17)
Musica
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