Vittorio De Scalzi: tastiere, voce
Nico Di Palo: chitarre, voce
Ricky Belloni: chitarre, voce
Gianni Belleno: batteria, voce
Giorgio D'Adamo: basso
当初は音質的な問題でお蔵入りになったといわれていたライヴ・アルバム。
たしかにいま聴くと、テープのヒスノイズが目立ったり、楽器間の録音バランスが悪かったり、ドラムが木だるを叩いたような音で録音されていたりと、けっしていい録音ではないといえるけれど、だからといってインチキなブート盤よりは圧倒的にきれいな録音。それに、音はもうひとつだけど、当時のNew Trolls(ニュー・トロルス)の勢いやパッションといったものはしっかり伝わります。
おなじみのM2「Signore, io sono irish」やM3「Una miniera」は個人的に好きな曲だということもあり、やっぱり楽しめてしまいますし、CBS時代のNew TrollsへとつながるM4「Suite disco」のようなスタイリッシュな曲も力強く、かっこよく演奏されていて、なかなかの聴き応えです。
プログレッシヴ・ロックとしてのNew Trollsが好きな人には、やはりM5「Una notte sul Monte Calvo」やM6からの「Concerto grosso」あたりが気になるのでしょうね。
M5はハードな演奏で、いかにもプログレッシヴ・ロックらしいものになっていますが、個人的には『Atomic System』に収録されたスタジオ録音のほうが聴いててワクワクします。
M6「Adagio」はオーケストラなしということもあり、厚みに欠けますし、スタジオ録音でのような、はっとするような艶やかさも期待できませんが、フレーズ自体は相変わらず心を打つ美しさがありますね。ただギター・ソロがけっこういいかげんで、ミス・タッチや弾ききれてないフレーズなどが気になってしまいました。これをライヴならではの臨場感ととるか、それとも練習あるいは演奏力の不足ととるかは、微妙なところです。
M7「Vivace」のほうは、もともと曲調が派手ということもあってか、オーケストラなしでもけっこう楽しめます。
M10「Vent'anni」ではNew Trollsらしいコーラスが堪能できます。