produced and engineered by David Tickle
Tim Finn: vocals
Neil Finn: guitara, vocals
Eddie Rayner: keyboards
Noel Crombie: percussion
Malcoml Green: drums
Nigel Griggs: bass guitar
Split Enz(スプリット・エンズ)はニュージーランドのグループでしたっけ? たしか高校生のころ、「エアテロアの風」(っていうタイトルだったと思う)がけっこうヒットして、日本でもラジオかテレビ(「ベストヒットUSA」かなぁ)でずいぶん紹介された気がします。この曲が収録されていたアルバム『Time and Tide』は当時、ずいぶんよく聴いたものでした。
『True Colours』は『Time and Tide』よりも前にリリースされたもののようです。たまたまCDショップで安く売っているのを見つけ、懐かしいグループ名につい買ってしまいました。メンバーのTim Finn(ティム・フィン)とNeil Finn(ニール・フィン)の兄弟はのちに結成したCrowded House(クラウデッド・ハウス)というグループでも人気を得るのだけど、Crowded Houseは聴いたことないや。
Split Enzの音楽って、なんていうのかなぁ、カラフルですよね。イギリスのMove(ムーヴ)とかPilot(パイロット)などが持っていたような懐かしい甘さ、あたたかさ、やわらかさを明るくカラフルな演奏で装飾してるような感じ。
Tim Finnの独特のクセのある歌声も、グループの個性に大きく貢献してる。声質的にはちょっとエロティックな感じもあると思うのだけど、明るくおおらかに歌われてしまうから湿った感じにはならないんだな。これがイギリスだったらSoft Cell(ソフト・セル)みたいな方向にいっちゃうのかもしれない。
イギリスのポップスの匂いもするのだけど、イギリスよりも乾いていてフレンドリーな感じがするのは、やはりニュージーランドだからなのかな。ニュージーランドのクライスト・チャーチという街に1週間ほど滞在したことがあるのだけど、そのときに感じた「プチ・イギリス」といった印象を思い出します。
軽やかなポップスなんだけど、演奏はけっこう凝ってますね。アレンジのセンスがすごくいい。シンセサイザーも、チープな音づくりやフレーズが聞こえる背景にそっと厚みとあたたかみのあるオーケストレーションが敷かれてたりするし、ベースも意外と動き回ってる。しかも、いかにも「凝ったアレンジしてますよ」的な自己主張の強さは感じさせない。さらっと聞き流してるとけっこうシンプルで軽い演奏に聞こえるのだけど、実はすみずみまでよく考えられ、シンプルさと軽さが効果的に聞こえるようにアレンジされているといった印象を受けます。
全体にメロディはなめらかできれいだし、演奏も的確だし、アレンジもおもしろい。ひさしぶりに聴いたけど、いいグループだな。素人さんにも玄人さんにもそれぞれの楽しみ方ができそうな感じがします。ふむ、もう少しアルバムを集めてみようかしらん。