OPUS AVANTRA


LORD CROMWELL PLAYS SUITE FOR SEVEN VICES (1975年)

   オプス・アヴァントラ / ロード・クロムウェル・プレイズ・スート・フォー・セヴェン・ヴァイシズ
    (SUONO RECORDS/MARQUEE: SRLP 1002 / イタリア盤LP)



    jacket photo

    SIDE 1:

    1. FLOWERS ON PRIDE
    2. AVRICE
    3. LUST
    4. MY VICE

    SIDE 2:

    1. IRA
    2. GLUTTONY
    3. ENVY
    4. SLOTH


    Alfredo Tisocco: piano, hammond, sintetizar, organo, canne
    Luciano Tavella: flute
    Renato Zanella: guitar
    Enrico Professione: violin
    Pieregidio Spiller: violin
    Riccardo Perraro: violoncello
    Gina Bianco, Susan Worsham, Cindy Brasher, Carl Adams: Vocals
    Paolo Siani: percussion, drums

    produzione: Alfredo Tisocco, Renato Marengo
    autore e compositore: Alfredo Tisocco
    Art Direcrtor: Giorgio Bisotto
    Consulenza: Donella Del Monaco








    Opus Avantra(オプス・アヴァントラ)は最近でもぽつぽつとボックスセットやら未発表作やらがリリースされたり、Donella Del Monaco(ドネッラ・デル・モナコ)がOpus Avantra Ensemble(オプス・アヴァントラ・アンサンブル)名義でニューアルバムを出したりと、なんとな〜く現在進行形なプロジェクトっぽい印象はあるのだけど、でもやっぱりサード以降って、なにか違うんですよね。

    デビュー作の『Introspezione』は、もうほんと、イタリアの宝というか、奇跡のような作品で、初心者向けではないけれど、イタリアという国が持つ音楽的な資質の粋を集めたような、すばらしいアルバムだと思ってます。高い芸術性と前衛性を持ちながら、大衆音楽としての叙情性とポップさも併せ持ってる。こんな音楽をつくり演奏できるミュージシャンがいるイタリアという国に大きな憧れと高い尊敬の念を持った若いころを思い出します。

    それにくらべるとこのセカンド・アルバムは、大衆性が少し後退し、よりシリアスな、前衛色の強いものになっているように思えて、以前はそれほど好きじゃなかったんです。だからCDに買い換えなかった。

    でも、最近、サード以降のOpus Avantraをひさしぶりに聴いて、そしてOpus Avantra Ensembleを名乗ったDonellaの新作を聴いて、違う、Opus Avantraはこんなじゃなかったはずだっていう気持ちが心の奥底に横たわってたんでしょうね。はじめてOpus Avantraのファーストを聴いたときのような、本当にすばらしい音楽を聴きたいっていう、ね。

    で、あらためて彼らのセカンドを聴いてるわけですが、やっぱり素晴らしい。ファーストよりもちょっととっつきにくくなってはいるけど、Opus Avantraならではの真摯で芸術への深い愛情と造詣に満ちたポップ・ミュージックがここにあります。そして、イタリアらしい叙情。なんていうか、アーティスティックな魂と大衆音楽のミクスチュアが非常に高い次元で実現してる。耳に聴こえる「音」だけでなく、その「音」を生み出しているスピリッツも聴こえる。そんな感じ。

    この「スピリッツ」の部分が、サード以降のOpus Avantraにはあまり感じられないんだよな。「音」はたしかにOpus Avantra風なのに、どこかが違う。それはどこか、Roger Waters(ロジャー・ウォータース)が抜けたあとのPink Floyd(ピンク・フロイド)にも通じる気がします。音はたしかにPink Floyd風なのに、なにかとても大事なものが欠けてるような、そんな感じ。

    このセカンド・アルバムでも、B面の終盤に差し掛かってくると、ちょっと魂が抜けてきちゃって、スタイルとしてのOpus Avantraミュージックになってきてる気がするのだけど、少なくともA面は、イタリアの持つポテンシャルの高さを強烈にアピールした、あのOpus Avantraを感じられます。

    (2004.07.25)







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