ORO


3 (1997年)

   オロ / トレ
    (SUGAR / UNIVERSAL MUSIC SGR D 77803 / イタリア盤CD)




oro1   1: PADRE NOSTRO
  2: VIVO PER LEI
  3: RESE ROSSE E CAFFE
  4: PER TE PER NOI
  5: L'AMORE E
  6: SE UNA DONNA PARTE
  7: LA RABBIA
  8: QUANDO TI SENTI SOLA
  9: LA VUOI LO VUOI
 10: NON RIESCO A PARLARE
 11: TIENIMI DENTRO DI TE
 12: AMICI
 13: UN AMORE IN DUE







 ORO っていうのは、金(きん)のことだそうです*。金。グループ名としては、かっこ悪いですねぇ。
 でも、曲のほうはムチャムチャよいです。現代ふうのスッキリ感と、オーソドックスなイタリアン・ミュージックの持つ流れるような美しいメロディが、みごとに共存してます。
 それもそのはず、彼らは Sugar レーベルのアーティストなんですね。


 Sugar レーベル(Caterina Caselli Sugar)といえば、あのアンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli)やパオロ・ヴァッレージ(Paolo Vallesi)、日本での知名度はいまひとつだけど、若くて才能のあるアレッサンドロ・エッリコ(Alessandro Errico)のレーベルです。これだけで、なるほど!と思う人もいるかもしれませんね。
 ともかく、メロディが美しい、展開がドラマティック、オーケストレーションが感動的、オーソドックスだけど古臭くはない、などといった特徴を持ったアーティストたちばかりです。

 オロのこのアルバムも、とても Sugar らしいというか、ドラマティックでメロディアスな曲が満載です。ちなみに、2曲目の「Vivo per Lei」**(「あなたのために生きる」という意味かな)は、大ヒットしたアンドレア・ボチェッリのアルバム『Romanza』に収録されているのと同じ曲です。


 アンドレア・ボチェッリのアルバムはポップスとクラシックの中間のような印象ですが、オロはもっとロック寄りです。ギターなど、非常に熱いものがあります。ヴォーカルも、ところどころで力強さを感じさせます。だけど、やかましい感じがしないんです。
 アレッサンドロ・エッリコなんかも同じですが、ハードロック/ヘヴィメタルを経験しているアーティストなんでしょう、きっと。といっても、これはロック・アルバムではなく、あくまでもポップス・アルバムだと思います。

 力強さと若々しさ、瑞々しさのなかに、ドラマティックな哀愁を封じ込めた、なかなかの名作だと思います。

(1998.05.23)








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