1: FERRY-BOAT
2: BONA JURNATA
3: SARA'
4: 'A PROBBA MIA
5: CHE ORE SO'
6: ONE
7: AMICO MIO
8: DANCE OF BAIA
9: 'O TIEMPO VOLA
10: QUACCOSA
testi e musiche di PINO DANIELE
prodotto e arrangiato da PINO DANIELE
Rino Zurzolo: basso, contrabbasso
Ernesto Vitolo: tastiere
Pino Daniele: chitarre
Juan Pablo Torres: trombone
Adalberto Lara: tromba
Larry Nocella: sax
Marco Zurzolo: sax
Karl Potter: congas
Steve Gadd: batteria
Mino Cinelu: percussioni
Richard Tee: pianoforte, piano fender
Gato Barbieri: sax
orchestrazione e direzione: Paolo Raffone
flauti: Valentina Crimaldi, Marco Zurzolo
oboe: Francesco Parisi
primi violini: Giuseppe Scartato, Pasquale Cannavacciuolo
secondi violini: Alessandro Tumolillo, Alberto Vitolo
viole: Vincenzo Di Ruggiero, Gerardo Morrone
violoncelli: Antonio Avitabile
contrabbasso: Rino Zurzolo
Pino Daniele(ピーノ・ダニエーレ)は1970年代から80年代にかけてイタリアが生んだ最高の才能のひとりだ──というようなことを以前、音楽評論家の誰かが書いていました。
Pinoのファースト・アルバムは、ナポリの輝きと素朴さが端的に現われた素晴らしいナポリ・ポップで、自分もかなり好きな作品なのですが、正直にいって、80年代以降の作品には興味を持てずにいました。そのいちばんの理由は、すでにセカンド・アルバムからその兆候は現われているのですが、アメリカを志向した(と思われる)音楽性の変化にあります。それも、おしゃれなジャズ風味のアメリカン“売ります!”ポップス的な作風が感じられ、それは自分にとって、もっとも興味のない方向性です。
そんなわけで、1985年にリリースされたこの『Ferryboat』も久しく聴いていなかったのですが、いま改めて聴くと、それほど悪くもないかなという気がします。
アメリカの有名なジャズ・ドラマー、Steve Gadd(スティーヴ・ガッド)をゲストに迎えたこのアルバムには、やはりアメリカ的なおしゃれジャズ・ポップ要素が多くありますが、そのなかにナポリならではの哀愁やキラメキが見え隠れしています。丸く暖かな声もなめらかに響きます。
演奏があまりにもクリアでスッキリしているために、よりアメリカぽさを感じてしまうのでしょうが、その音楽のベースには、きちんとナポリが流れているのが聴き取れます。
こうして聴いてみると、1998年にデヴューしたNello Daniele(ネッロ・ダニエーレ)の音楽性と共通するものが感じられます。やはり兄弟なんだな。
ちなみに、Nelloのほうがアメリカ色が薄く、よりナポリ的なジャズ風味ポップスだと思っていたのですが、2000年にリリースされたセカンド・アルバムではアメリカ風味が強まってきていて、けっきょくはお兄さんと同じところへ行ってしまうのかもしれません。
それはともかく、アメリカ的なところを強く出しながらも、さんさんと輝く太陽の光と海の反射を感じさせるキラメキ感は、さすがナポリの大物です。演奏や曲調はともかく、彼の歌とギターには強くナポリが流れています。