PREMIATA FORNERIA MARCONI


SUONARE SUONARE (1980年)

   プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ / スォナーレ・スォナーレ
    (RCA / BMG ARIOLA: 74321 100812 / イタリア盤CD)



jacket photo
  1. SUONARE SUONARE
  2. VOLO A VELA
  3. SI PUO' FARE
  4. TOPOLINO
  5. MAESTRO DELLA VOCE
  6. SOGNO AMERICANO
  7. BIANCO E NERO
  8. TANTI AUGURI


prodotto da Alessandro Colombini

Franz Di Cioccio: batteria, percussioni, voce
Patrick Djivas: basso
Lucio Fabbri: violino viola, cello
Franco Mussida: chitarra, voce
Flavio Premoli: tastiere, voce








Premiata Forneria Marconi(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ。PFM)といえばイタリアン・ロックの最高峰、イタリアのトップ・グループのひとつとして多くのイタリアン・ミュージック・ファンから支持と賛辞を得ているビッグ・ネームですが、自分は彼らの音楽があまり好きではありません。もちろん、いいなと思う曲や好きな曲もあるのですが、全体として「PFMの音楽」と考えたときに、あんまり魅力を感じない。演奏はうまいのだけど、ヴォーカルが弱いのと、いわゆる「歌心」があまり感じられない(自分には)ところが、彼らの音楽に夢中になれない理由なんだろうな。

それでも『Per un amico』とか『Chocolate Kings』とか『Passpartu』などはけっこう気に入ってたりするのですが、この『Suonare suonare』は微妙というか、個々の曲には魅かれるものがあったりはしても全体としては魅力を感じられないという、自分にとってのPFMの位置を再確認するような作品でした。

M1「Suonare suonare」はなかなか魅力的です。カンタウトーレ風のメロディを持った軽快なポップ・ロックで、演奏も楽しげ。ただFranco Mussida(フランコ・ムッシーダ)の奏でるエレキ・ギターの音色が、気の利いた文房具屋などでプレゼント用のラッピングとかに使う銀色のビニール?袋を風でぶるぶると震わせたような音(わかってもらえるかな)で、自分は嫌い。

M2「Volo a vela」もポップな曲調で、明るい陽射しを感じさせるようななかに、ほんのりと地中海の香りがするところがPFMらしい。でも、イタリアよりはアメリカの雰囲気のほうが強いかもしれません。その点では、もしかしたらAcqua Fragile(アックア・フラジーレ)に通じる? Acqua Fragileから引き抜かれてPFMに参加したヴォーカリストのBernardo Lanzetti(ベルナルド・ランゼッティ)は前作を最後に脱退してますけど。

M3「Si puo' fare」は、自分が好きになれないPFMの音楽。乾いたギターの音色も、妙にポップな曲調も、まったく興味の範囲外。

M4「Topolino」のイントロはいいな。南イタリアの明るい陽射しと、地中海から吹く爽やかな風が感じられるよう。ヴォーカルも明るく暖かな感じがあるし、Lucio Fabbri(ルーチォ・ファッブリ)の奏でるヴァイオリンも曲に広がりを与え、自分がPFMに対して持っている「PFMの香り」の印象を運んできてくれます。もう少しヴォーカルに存在感があれば、さらに自分好みだったな。

M5「Maestro della voce」は重い感じのイントロが印象的。ロシアとかのメッセージ性の強いフォーク・シンガーみたい(あくまでもイメージです)。歌が入っても重い感じを引きずっていますが、ロシアからは抜け出して、英米のメッセージ性の強いロック・シンガー風(あくまでもイメージです)になります。

M6「Sogno americano」は「アメリカ風の夢(?)」というタイトルどおり、とてもアメリカ風なアップ・テンポの曲。ヴォーカル・ラインはずっとコーラスで(ここもほんのりAcqua Fragileの匂い?)、軽快で派手な演奏。ぜんぜん好きになれません。

M7「Bianco e nero」はスローなポップス。明るさのなかにほどよく粘りがあり、アメリカ風だけどヨーロッパの匂いも感じられます。サビの部分の歌メロや、おおらかな感じを曲に与えているヴァイオリンなど、ちょっと好み。

M8「Tanti auguri」は、アコースティック・ギターのストロークにのってカンタウトーレ風に始まるのだけど、後半に入るとフィドルが活躍する軽快なポップ・ロックになっていきます。楽しげではあります。

(2007.12.16)







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