PAOLO VALLESI


LA FORZA DELLA VITA (1992年)

   パオロ・ヴァッレージ / ラ・フォルツァ・デッラ・ヴィータ
    (INSIEME / RTI MUSI / DISCHI RICORDI: SGR 4422-2 / イタリア盤CD)



jacket photo
  1. INTRO
  2. SEMPRE
  3. LA FORZA DELLA VITA
  4. TUTTI QUELLI CHE SI PERDONO
  5. RIDERE DI TE
  6. A SPASSO CON TOBI
  7. CUORI LONTANI
  8. AIUTAMI
  9. DI PIU'
  10. FA CHE SIA AMORE


produzione: Dado Parisini
arrangiamenti: Paolo Vallesi e Dado Parisini

batteria, percussioni e darabuka: Massimo Pacciani
basso: Cesare Chiodo, Stefano Allegra
chitarra: Riccardo Galardini, Giacomo Castellano, Gianni Salvatori
mandolino: Riccardo Galardini
sax: Stefano "Cocco" Cantini
pianoforte e tastiere: Paolo Vallesi
programmazione computers: Eric Buffat
fisarmonica: Sergio Boni
cori: Betty Maineri, Giulia Fasolino, Danilo Amerio, Leonardo Abbate, Gianni Salvatori, Dado Parisini, Eric Buffat








好きなんですよ、このころのPaolo Vallesi(パオロ・ヴァッレージ)。もう、なんていうか、自分のつぼにドンピシャ(死語?)です。ほどよい哀愁をたたえたロマンティックなメロディ、ドラマティックな曲構成、情感豊かなひび割れヴォーカル。たまりません。

基本的なことですが、曲(歌メロ)がいい、というのはやはり大切です。もちろん、どんなに平凡な歌メロでも圧倒的な個性と表現力で情感豊かに歌い上げてしまうことができるようなすごいヴォーカリストであれば、それほど曲そのものの出来のよしあしには左右されないのかもしれないけれど、そういうヴォーカリストでも、そこまでのヴォーカリストではなくても、曲そのものの出来がいいに越したことはありません。

その点、Paoloの曲はとってもいい出来具合のものが多いと思います。Paolo自身も情感豊かなヴォーカリストなので、自分の曲のよさ・持ち味を充分に生かしていると感じますが、たとえば別のシンガーに歌わせても、きっと輝きを持ち続けるだろうし、またそのシンガーの持ち味を素直に表現できる曲が多いのではないか、と思うんです。

このアルバムには、明るい感じのポップな曲、哀愁のあるバラード、ほんのりジャズ風味な曲など、いくつかのタイプの曲が収録されています。たとえばM5「Ridere di te」などはおおらかなメロディを持ったいかにも典型的なイタリアン・ポップスで、伸びやかなヴォーカル・ラインが魅力的です。これ、Laura Pausini(ラウラ・パウジーニ)とかが歌ってもいい感じだろうな。あるいはFiorella Mannoia(フィオレッラ・マンノイア)などだと曲に別の魅力を与えるかもしれない。ほんのりジャズ風味なM6「A spasso con Tobi」はRossana Casale(ロッサーナ・カザーレ)とかGiorgia(ジォルジァ)が上手に歌いそうだし、Ornella Vanoni(オルネッラ・ヴァノーニ)に貫禄たっぷりに歌ってもらうのもいいかもしれない。M8「Aiutami」は、Andrea Bocelli(アンドレア・ボチェッリ)が歌ってもよさそうだ。アルバムを聴きながら、そんなことが頭に浮かんできます。こういった優れたシンガーたちが歌っているのも聴いてみたい、きっと気持ちよく歌うんじゃないか、などとイメージが広がるんですよ。

比率としては哀愁系が多いこのアルバムですが、Paoloのよさって、ほんのり哀愁を秘めながらも前向きさや明るさを感じさせる曲に強く出るように思います。その意味で、佳曲ぞろいのこのアルバムのなかでも、アルバム・タイトルになっているM3「La forza della vita」はかなりの名曲だと自分は思います。彼の曲全体のなかでも間違いなく上位に入るでしょう。おだやかに始まり、徐々に演奏に厚みが増し、後半に向けてどんどん盛り上がっていく。午後の陽だまりのようなやさしく暖かい感じから、少しずつ明るさ、力強さ、前向きさを増していく。シンプルで素直な美しいメロディの連なりを上手に構成しアレンジし、曲のなかに小さなドラマをつくりあげるのがうまいのが、イタリアン・ポップ・ミュージックの魅力のひとつだと思うのですが、そういう意味では、まさにイタリアン・ポップ・ミュージックの魅力が凝縮された1曲だといえるでしょう。

短いM1「Intro」に続きハードなロック調の演奏で哀愁を力強く歌い上げるM2「Sempre」からこの「La forza della vita」への流れはみごとで、アルバム最初で自分は完全にノックアウト(死語??)です。うん、やっぱり自分はPaolo Vallesiが好きだぁ。

(2005.04.03)







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