Lilia Wojciechiwska: wokal
Agnieska Dudek: wokal
Jacek Galant: wokal
Alexander Zelazny: gitary, syntezator gitarowy
Sebastian Klus: gitara basowa
Marcin Zwonarz: ins. perksyjne
Remigiusz Cecula: organy w kosciele pw. nawiedzenia nmp w lesku
Marek Sokol: fortepian
Pawel Futyma: skrzypce
Katarzyna Jajko: chorki
Tomasz Fal: syntezator gitarowy
Piotr Polakowski: ins. klawiszowe
Krystian Sidor: gitara basowa
ポーランドのグループだそうです。アルバム・タイトルの読み方がわかりません。デビュー・アルバムが女性ヴォーカル入りの極上シンフォニック・ロックということで話題になったようですが、これは2003年リリースのセカンド・アルバム。女性ヴォーカリストはふたりクレジットされてますが、デビュー作で歌っていた人とは違うらしいです。
うーん、どうなんでしょう。ざっと聴いた印象では、シンフォニック要素の強いプログレッシヴ・ハードといった感じです。それも、どことなく15年くらい前の日本のプログレ・ハードみたいな。
曲は大別して「男性が歌うもの」と「女性が歌うもの」の2種類に分かれます。男性&女性のヴォーカル・アンサンブルとかはないみたい。そしてM3「Spotkanie」やM5「Po tej stronie」など、とくに「男性が歌うもの」にプログレ・ハード要素が強く、しかも、ちょっといなたい。声質は個性があるし、投げやりな感じに歌うスタイルも悪くはないんですが、曲自体の魅力が弱いかな。たとえばM5は、テクニカル・プログレの要素も付け加えようとしたのだけど、演奏力と構成力が追いつかず、テクニカルになりきれないで中途半端な曲に終わっちゃったような印象もあります。
一方「女性が歌うもの」はトラッド風味があり、清楚ですがすがしい感じが心地よく響きます。ふたりの女性ヴォーカルは、それぞれに少し個性が違うようですが、M2「Desiderata」とかのヴォーカルを担当している人のほうが自分には好みです。またM4「Piesn Aayrne」はピアノをバックに、間奏にはアコースティック・ギターのソロも入り、なんとなくIllusion(イリュージョン)とかを思い出しました。しかし、女性ふたりによるヴォーカル・アンサンブルとかも、とくにないのだな。
M6「Suita d-minor」はちょっとした組曲。パイプ・オルガンとアコースティック・ギターによる「Tangal」はイントロダクション的な小曲ですが、一瞬、サンプリングと思われる合唱が入り、合唱ロック好きな自分は「おっ」と思ってしまいます。続く「Zdobede i ciebie」はMoody Blues(ムーディ・ブルース)の「メランコリー・マン」のようなメロディとコード進行のイントロで気を引かれるのですが、男性ヴォーカルが入ると普通のプログレ・ハードになってしまいます。第3部の「Glos serca」ではヴォーカルが女性にチェンジし、哀愁度も高まりますが、プログレ・ハード・グループが演奏するバラードといった印象が抜けません。しかし最終楽章である「Testament sel'entinell」では、より哀愁度の高いほうの女性にヴォーカルが代わり、演奏もトラッド色が強くなります。すがすがしく清涼感のあるゆっくりしたシンフォニック・ロックにヴァイオリンのソロも入り、たおやかでクラシカルな情感も高まります。
M1「Prolog」がパイプ・オルガンによるクラシカルな小曲で、ちょっと期待したのだけど、全体にはほどほどの演奏技術によるほどほどなシンフォニック・ハード・プログレといった感じでした。しかし、ヴォーカルはポーランド語(ですよね?)で歌われていて、あまり耳になじみのないその独特な言葉の響きがとても印象的です。いい要素はいくつもあるので、それなりに楽しめるシンフォニック作品にはなっています。