1: PARLAMI ANCORA
2: ALBA CORALLO
3: STAGIONE DI PASSAGGIO
4: SOTTO LA SOTTOVESTE
5: COME SI CAMBIA
6: LA'
7: JENNY
8: MEDLEY:
DONNA FELICITA'
SINGAPORE
ANNA DA DIMENTICARE
TORNERAI TORNERO'
BELLA DA MORIRE
QUANDO TRAMONTA IL SOL
IO E TE
9: LA MOSCA
10: IL SOGNO DELL'AMERICA
11: DORME LA LUNA NEL SUO SACCO A PELO
12: COSE US COSE
13: DA DOMANI
14: UN ALTRO CIELO
レナート・パレティは1970年代の始め頃から活動しているようです。
ちょっとこじんまりした印象はあるものの、非常にメロディアスで美しいイタリアン・ミュージックを奏でるグループ、ホモ・サピエンス(Homo Sapiens)のメンバーとして知られていますが、一時期、ウンベルト・トッツィ(Umberto Tozzi)も参加していた、やはり美しいイタリアン・ミュージックを演奏するストラーナ・ソチエタ(Strana Societa')にも参加していたことがあるらしいです。
彼が何枚のアルバムを出しているのかわからないのですが、このアルバムは新録のベスト盤のようです。
彼個人のCDを聴くのは、自分はこれがはじめてです。彼が参加していたというふたつのグループ、ホモ・サピエンスとストラーナ・ソチエタはそれぞれ1枚ずつCDを持っていますが、残念ながらそれらはレナート参加時のものではありません(ホモ・サピエンスのほうは新録のベスト盤で、楽曲のクレジットに彼の名前が見られます)。
なので、ソロとしての彼の曲ははじめて聴くことになります。
ホモ・サピエンスもストラーナ・ソチエタも、多少イージーな感じはするけれど、美しく甘いメロディを持ったグループだし、とくにホモ・サピエンスは曲の多くが彼の書いたものなので、個人的にはホモ・サピエンス的なものを期待してプレーヤーにかけました。しかし、思ったよりドラマティックじゃありませんでした。
ひとつには、声がおじさん臭いからかもしれません。若いときの彼の声を聴いたことがないので、もともとこういう声なのか、それとも年齢を重ねた結果の声なのかはわからないのですが、渋くて落ち着きのある声、昔の歌手のような唄い方なんです。ジョルジョ・ガベール(Giorgio Gaber)やジーノ・パオリ(Gino Paoli)などの、60年代のベスト盤を聴いたときと似た居心地の悪さを感じます。
また演奏も、ストリングスはもちろん、キーボードによる美しいオーケストレーションもほとんどなく、リズミック・ポップ風のアレンジがされています。
これじゃ、甘さは出せません。
メロディはそれなりに美しい展開を持っているものもあるので、ヴォーカルとアレンジの問題だと思います。メドレー内でちょっとだけ唄われる「Tornerai Tornero'」と「Bella Da Morire」はホモ・サピエンスのCDにも入っていたのですが、明らかにホモ・サピエンスのほうがメロディアスで美しく感じます。
現代風を意識したのであろう薄っぺらいアレンジも問題ですが、声が自分の好みにあわないというのも大きな問題です。せめてアレンジか声のどちらかひとつでも自分にフィットしたなら、もう少し楽しめるのですが。きちんとストリングスによるオーケストレーションの入った昔の盤を聴いてみれば、自分の彼に対する評価も上がるのかもしれません。
メロディ的にはところどころにひかれるものがある分、残念に思います。