ROBERTO VECCHIONI


IPERTENSIONE (1975年)

   ロベルト・ヴェッキオーニ / イペルテンスィオーネ
    (PHILIPS: 832 889-2 / フランス盤CD)



jacket photo
  1. IRENE
  2. CANZONE PER LAURA
  3. I POETI
  4. CANZONENOZNAC
  5. ALIGHIERI
  6. TUTTA LA VITA IN UN GIORNO
  7. PESCI NELLE ORECCHIE


testi e musica: Roberto Vecchioni
arrangiamenti: Mauro Paoluzzi - Paki Canzi

batteria, percussioni: Pietro Rapelli, Mauro Paoluzzi
basso: Billy Zanelli
chitarre: Mauro Paoluzzi
mandolino: Enzo Castella
tastiere: Paki Canzi, Gianfranco Pinto








Roberto Vecchioni(ロベルト・ヴェッキオーニ)はたくさんのアルバムをリリースしている超ヴェテラン・カンタウトーレなのですが、その割にはあまり日本では知られていないような、イタリアン・ミュージックのファンにも聴かれていないような、そんな気がします。そういう自分も、実は数枚しかアルバムを持っていない、しかもたまたま中古で安く見つけたから買った、といった状況なのですが。

アルバムによって多少、肌触りが違うことがあるような印象ですが、基本的にはいわゆるフォーク系の人だと思います。言葉数の多い歌詞で少し字余り気味にフォークを歌うといったタイプですね。歌メロも、どちらかというと淡々としているというか、ドラマティックな盛り上がりのようなものに欠けます。おそらく、歌詞の内容重視タイプの音楽なのでしょう。そのあたりが、イタリア語がわからない人のほうが多い日本では、なかなか人気が出ない理由なのかもしれません。

もちろん自分もイタリア語はわからないので、なにが歌われているのかもわかりません。でも自分、意外とこのアルバム、好きかもしれない。

アコースティック・ギターが演奏の中心ではあるけれど、キーボードによるオーケストレーションもほどよく入っているし、ところどころにSEの導入もある。なんか普通にイタリア人ふたりが会話している場面も曲の途中で出てきたりする。こういったアレンジが曲に変化とアクセントをつけてて、淡々とした歌メロやヴォーカルに味わいを加えているんですよ。かなり地味ではあるけれど、プログレッシヴ・ロックに通じるところもあるのかもしれない。

それにね、パッショネイトではないけれど、なんだかとてもロマンティックな印象が全体を包み込んでる。Francesco De Gregori(フランチェスコ・デ・グレゴーリ)なんかもそうなんだけど、歌詞優先で淡々と歌うカンタウトーレの作品のなかには、感情を抑えたロマンティシズムを感じるものが少なくないですね。そういうロマンティシズムが感じられると、自分はけっこう気に入ってしまうのです。

雨模様の朝の通勤時に聴いていたのだけど、天気の鬱陶しさをしばし忘れて、音の生み出す世界をぼんやりと散歩できました。うん、なかなかいいぞ。

(2005.07.18)







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