RENATO ZERO


AMORE DOPO AMORE, TOUR DOPO TOUR (1999年)

   レナート・ゼロ / アモーレ・ドーポ・アモーレ、トゥーア・ドーポ・トゥーア
    (FONOPOLI / SONY MUSIC ENTERTAINMENT FON 494562 2 / オランダ盤CD)



jacket photo CD1
  1: SI STA FACENDO NOTTE
  2: L'ITALIA
  3: CERCAMI
  4: EMERGENZA NOIA
  5: DIMMI CHI DORME ACCANTO A ME
  6: I MIGLIORI ANNI DELLA NOSTRA VITA
  7: FELICI E PERDENTI
  8: L'EQUILIBRISTA
  9: NEI GIARDINI CHE NESSUNO SA
 10: LA GRANDE ASSENTE
 11: APPENA IN TEMPO
 12: CHE STRANO GIOCO E'


CD2
  1: AL BUIO
  2: MI AMERESTI
  3: EROTICA APPARENZA
  4: LA PACE SIA CON TE
  5: FIGARO
  6: L'IMPOSSIBILE VIVERE
  7: IL CIRCO
  8: IL CORAGGIO DELLE IDEE


prodotto da RENATO ZERO

LELE MELOTTI: batteria
PAOLO COSTA: basso
STEFANO SENESI: pianoforte
LUCIANO CICCAGLIONI: chitarra
PHIL PALMER: chitarre
MARCO FORNI: tastiere
ROSARIO JERMANO: percussioni

registrato al Forum di Assago di Milano il 20 Ottobre 1998







 1998年の名作『Amore Dopo Amore』リリース後のステージを収録した2枚組ライヴ。スタジオ盤と同様、ドラマティックで奥行きのある音世界が展開されています。

 オーケストラ・アレンジも薄くなることなく、ライヴの力強さと音の厚さを併せ持った演奏が聴けます。そのうえに観衆の合唱がコーラスとしてかぶさり、とても感動的です。
 結局のところ、人間の声の持つ力にはかなわないと感じます。そして、肉声によるコーラスが、気持ちよく、感動的に響くことが、はじめから予定されていたかのようなメロディの美しさは、やはり特筆すべきでしょう。

 1980年代の作品では、この美しさが、どこか歌謡曲的な安っぽさを感じさせてしまいましたが、このライヴや『Amore Dopo Amore』では非常に深みのある音楽に聴こえるのは、なぜでしょうか。ひとつひとつのメロディ自体が持つ肌触りは80年代とそれほど変わっていないと思うので、やはりアレンジの力と曲の展開力が向上したということなのかな。

 この作品は2枚組ではありますが、全部がライヴ収録なのではなく、それぞれのCDのアタマとエンディングにスタジオ録音の曲が収録されています。
 ライヴ空間としての継続性と一体感を考えるなら、これらのスタジオ収録曲はライヴ全体のオープニングとエンディングに配するとか、あるいはライヴ録音のあとにまとめるとかしたほうが、よりライヴとしてのドラマが感じられたことでしょう。途中に配置されてしまったことが、ライヴ・アルバムとしての完成度という点で見た場合、ちょっと残念です。

 スタジオ収録曲は、ゆったりとした美しいバラードなので、楽曲的にはステージの雰囲気を壊すことはありません。ただ、せっかくの高揚感を静めてしまうんです。
 ただでさえCDを入れ替えるときにはステージの流れが分断され、ちょっと落ち着いてしまうというのに、最初のCDの最後と次のCDの最初にスタジオ曲があるため、長すぎるインターバルのように感じてしまいます。

 とはいえ、このライヴに収められたそれぞれの曲は、イタリアのアイデンティティを強く感じさせる、美しくドラマティックなポップ・ロックの良質なサンプルといえるでしょう。

(2000.02.11)








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