PHOENIX are:
Nicolae Covaci: guitar, flute, percussion, vocal
Mircea Baniciu: vocal, guitar, percussion
Josif Kappl: bass, violin, percussion, vocal
Costin Petrescu: drums
Valeriu Sepi: percussion
ルーマニアのロック・グループらしいです。その筋(どの筋?)ではけっこう有名で、アルバムもけっこうリリースされているらしいですが、このアルバムはデヴュー作のようです。
M1〜M8までは「Ciclul Anotimpurilor」という組曲になっているようです。このなかで(A)〜(E)までの5つのパートに分かれていて、(A)(B)(E)はさらに2つに分かれています。また、最後の2曲はボーナス・トラックです。
最初の3曲はインストゥルメンタルの小曲で、このままインスト主体なのかなと、ヴォーカル・ファンの自分としてはちょっと心配したのですが、その後はちゃんとヴォーカルもあって安心しました。
M4「Paparuga」では東欧の山のほうっぽい(?)コーラスがエキゾティックに響きます。ヴォーカルはルーマニア語(?)なんでしょうか。クリアで暖かみのあるエレキ・ギターのアルペジオが美しく、ぶんぶんしたベースとちょっとドタバタ気味のドラムとの組み合わせもほほえましいです。
M5「Vara (Summer)」のヴォーカルはどこか飄々とした感じです。歌メロは素朴なのですが、ファズの効いたエレキ・ギターやベースがうなっていて、ちょっとヘヴィです。少しとぼけた感じのコーラスは古いブリティッシュ・ポップス、たとえばPilot(パイロット)とかを思い出させます。
M6「Toamna (Autumn)」では、ヴォーカルにかかるエコーの幹事やエレキ・ギターの音などに、アート・ロックを演奏していた初期のころのDeep Purple(ディープ・パープル)を思い出しました。
M8「Jocul caprelor」は、唸りをあげるベースのメロディと呪術的なドラム、パーカッションが印象的です。なのに、そこに入ってくるエレキ・ギターがカントリー風なのがおかしいです。
M10「Negru Voda (Black Prince) / Balada (The Ballad)」はシャッフル・ビートのロック。艶のないヴァイオリンの音色がひなびた哀愁を感じさせます。長いギター・ソロがあり、いかにも1970年代のロックといった感じです。
全体に、演奏はあまりうまくありませんが、それが逆に「引っかかり」となっていて、自分にとってはいい感じでした。