1: LA TERRA, IL MARE, IL CIELO
2: ANCHE QUESTA E VITA
3: IN UNO SCALPICCIAR DI FOGLIE
4: AMORE AL ROVESCIO
5: BALLANDO QUESTO TEMPO
6: IL PANE DELL'AMORE
7: E COSI SIA
8: NEL RICORDO CALDO
9: C'E UNA STRADA DENTRO ROMA
東京・高田馬場にあるユーロピアン・ポップスの専門店 Casa Bianca の店長に、「RCA時代のクラウディオ・バッリォーニ(Claudio Baglioni)が好きなら気に入ると思いますよ」と紹介され、はじめて買ったアーティスト。
タイプとしては Claudio のようなだみ声ヴォーカル。だけど、Claudio よりちょっと細いというか、浅い感じはする。また、Claudio のように短時間にいっきに盛り上がるような瞬発力はない。
アルバム1曲目を聴いて最初に浮かんだのは Claudio ではなく、じつはアメデオ・ミンギ(Amedeo Minghi)のアルバム『i Ricordi del Cuore』(1992年)だった。
デジタリックだけれどゆったりしたリズム、現代的なすっきりとした音色のオーケストレーション、けっして大袈裟には展開しないけれど美しいメロディなど、比較的最近の Amedeo が好きな人には気になる曲ではないかな。
かといって、全体が Amedeo 的かというとそうでもなくて、曲によってはエロス・ラマゾッティ(Eros Ramazzotti)を思わせるもの、最近の Claudio を思わせるものなどもある。そういう意味では、ソロ・アーティストとしてのオリジナリティという点で弱い感じがするかな。
でも、全体を通して感じられる明るさ、前向きさ、そして現代的ながらもイタリアを忘れていないメロディなど、イタリアン・ポップス・ファン、カンタウトーレ・ファンなら楽しめる要素がたくさん。
個人的に気に入っている8曲目の「NEL RICORDO CALDO」などは、感傷的でちょっとオールド・スタイルのカンタウトーレっぽい、なかなかの曲。
ほとんどがポップな曲のなかで、終わりのひとつ前にこういう曲をもってくるところがずるいよなぁ。こういうタイプの曲、ほんとに好きなんです、自分。
1995年の作品とあって、それぞれの楽器の音はとても現代的。あまりひっかかりはない。
70年代のような生オケの艶やかなオーケストレーションは聴けないけれど、あまり癖の強くない最近のアーティストには、かえってキーボード・オーケストレーションのほうがうまく個性を引き出せるのかなと思う。
ただ、ドラムの音だけは昔のほうが自分は好きだなぁ。
聴きおわってRCA時代の Claudio を思い出したかというと、そんなことは全然なかったけれど、でもいいアルバムだと思いう。
別のアルバムも聴いてみたい気になった。