produzione: Pino Sciortino, Lino Fabrizi
arrangiamenti: Davide Pistoni
arrangiamenti cori: Alberto Cheli e Davide Pistoni
Schola Cantorum: Alberto Cheli, Aldo Donati, Velia, Davide Pistoni
pianoforte-tastiere-programmazione: Davide Pistoni
chitarre: Luca Casagrande
batteria: Francesco "Ciccio" Isola
basso: Matteo Esposito
Schola Cantorum(スコラ・カントルム)は主に1970年代に活動していたコーラス・グループです。このアルバムは新録による彼らのベスト盤。1970年代のグループ/アーティストの新録ベストって、オリジナルの持つ魅力とは掛け離れてしまい「あ〜あ」ってなっちゃうものが多いのですが、これは違います。
「あ〜あ」ってなっちゃう原因の多くは、オリジナルで美しく情感を持って鳴り響いていたオーケストラが薄っぺらいキーボードに置き換わってるからということが多いのですが、彼らはもともとオーケストラの使用頻度が低く、その代わり混声コーラスでオーケストレーションをするという、ちょっと変わったスタイルを持っていたので、オーケストラがキーボードに置き換わっていることによるマイナスはほとんどありません。混声コーラスさえきちんと使われていれば、色あせることはほとんどないんです。
その点、1997年にD.V.MOREからリリースされた新録ベストはリーダー(?)のAlberto Celli(アルベルト・ケリ)のソロ・アルバムのようになっていて、曲はSchola Cantorumだけどコーラス・オーケストレーションはほとんど機能しておらず、演奏も薄っぺらという、失敗新録の典型のようになっていました。
今回の新録ベストでは、きちんと男性・女性のヴォーカリストをそろえ、彼らの魅力である混声コーラス・オーケストレーションや、複数のヴォーカリストによるメイン・ヴォーカルのヴァリエーションなども存分に楽しめます。さらには、コーラスにキーボードのオーケストレーションを重ねて厚みを出したり、オリジナルではなかったディストーション・ギター/エレキ・ギターを導入して奥行きを出したりと、オリジナルとはまた違ったみずみずしさを感じさせてくれます。
ヴォーカルも衰えていないし、楽器の音は当然、最近の録音だからクリアだし、演奏面にも充実を求めたアレンジになっているしで、1970年代の音楽が現代の音楽としてみごとに生き返っています。Coro Exodus(コロ・エクソドゥス)にも負けない作品になってるんじゃないでしょうか。
イタリアン・ポップスが好きで、Schola Cantorumを好きで、よかったぁと思います。