SCHOLA CANTORUM


SCHOLA CANTORUM (2003年)

   スコラ・カントルム
    (ROSSO DI SERA RECORDS/DELTA DISCHI: RDS 2003-1 / イタリア盤CD)



    jacket photo
  1. L'ATTESA DI TE
  2. IL MIO AMORE
  3. LELLA
  4. LA MIA MUSICA
  5. CAVALLI ALATI
  6. SULLA STRADA DEL MARE
  7. RAGGIO DI LUNA
  8. LE TRE CAMPANE
  9. LA MONTANARA


produzione: Pino Sciortino, Lino Fabrizi
arrangiamenti: Davide Pistoni
arrangiamenti cori: Alberto Cheli e Davide Pistoni

Schola Cantorum: Alberto Cheli, Aldo Donati, Velia, Davide Pistoni

pianoforte-tastiere-programmazione: Davide Pistoni
chitarre: Luca Casagrande
batteria: Francesco "Ciccio" Isola
basso: Matteo Esposito








Schola Cantorum(スコラ・カントルム)は主に1970年代に活動していたコーラス・グループです。このアルバムは新録による彼らのベスト盤。1970年代のグループ/アーティストの新録ベストって、オリジナルの持つ魅力とは掛け離れてしまい「あ〜あ」ってなっちゃうものが多いのですが、これは違います。

「あ〜あ」ってなっちゃう原因の多くは、オリジナルで美しく情感を持って鳴り響いていたオーケストラが薄っぺらいキーボードに置き換わってるからということが多いのですが、彼らはもともとオーケストラの使用頻度が低く、その代わり混声コーラスでオーケストレーションをするという、ちょっと変わったスタイルを持っていたので、オーケストラがキーボードに置き換わっていることによるマイナスはほとんどありません。混声コーラスさえきちんと使われていれば、色あせることはほとんどないんです。

その点、1997年にD.V.MOREからリリースされた新録ベストはリーダー(?)のAlberto Celli(アルベルト・ケリ)のソロ・アルバムのようになっていて、曲はSchola Cantorumだけどコーラス・オーケストレーションはほとんど機能しておらず、演奏も薄っぺらという、失敗新録の典型のようになっていました。

今回の新録ベストでは、きちんと男性・女性のヴォーカリストをそろえ、彼らの魅力である混声コーラス・オーケストレーションや、複数のヴォーカリストによるメイン・ヴォーカルのヴァリエーションなども存分に楽しめます。さらには、コーラスにキーボードのオーケストレーションを重ねて厚みを出したり、オリジナルではなかったディストーション・ギター/エレキ・ギターを導入して奥行きを出したりと、オリジナルとはまた違ったみずみずしさを感じさせてくれます。

ヴォーカルも衰えていないし、楽器の音は当然、最近の録音だからクリアだし、演奏面にも充実を求めたアレンジになっているしで、1970年代の音楽が現代の音楽としてみごとに生き返っています。Coro Exodus(コロ・エクソドゥス)にも負けない作品になってるんじゃないでしょうか。

イタリアン・ポップスが好きで、Schola Cantorumを好きで、よかったぁと思います。

(2004.05.09)







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