1: SIGNORA MIA
2: IL GIARDINO PROIBITO
3: PICCOLA MIA PICCOLA
4: STORIE DI PRIMAVERA
5: SIGNORA ADDIO
6: LEI
7: MI VA CHE CI SEI
8: GLI OCCHI DI TUA MADRE
9: IL MIO CIELO LA MIA ANIMA
10: IO PRIGIONIERO
11: BIMBA
12: VOLARE VIA
13: BLU
14: NOTTE SENZA DI TE
1970年代から活動しているカンタウトーレ(いまも現役? 新録アルバムは出てるみたいだけど)の、初期の曲を中心にしたベスト盤。
シンフォニック・ポップスの典型といえるでしょう。美しく流れるようなメロディ、優しく包み込むオーケストレーション …… 基本ですね。ラヴ・ロックなどと呼ばれるグループたち、たとえばジャルディーノ・デイ・センプリーチ(il Giardino dei Semplici)などが好きな人なら、きっとこれも気に入るはず。
録音年代のせいか、ドラムの音はパタパタですが(そこがまたイタリアっぽいともいえます ^^;)、ときに生オーケストラで、あるいはオルガンその他のキーボードによるバックは、非常にふくよかで暖かみがあります。
哀愁系というよりは、前向きで明るい感じの曲が多いです。その点では、イ・プー(i Pooh)などに通ずるものがあるかもしれません。
ヴォーカルはちょっと頼りなげです。力いっぱい熱唱する、強引に盛り上げるというタイプではないですね。
ならば、たとえばアメデオ・ミンギ(Amedeo Minghi)などのように抑えぎみなヴォーカルで味を出す人かというと、そうでもないです。本人はけっこう熱唱してるつもりなんだけど、声自体に力強さがない、もしくは瞬発力がないんでしょう。
ただ、その頼りなさというか、ひ弱な感じが、彼の魅力でもあるんですね。曲のアレンジ的には濃ゆいのに、全体の印象があまり暑苦しくならないのは、声に暑さがないからだと思います。
オーソドックスすぎて、今の時代には流行らないタイプの音楽でしょう。現代のイタリアン・ポップスの主流からも思いっきりはずれてると思います。
でもね、この伸びやかな唄い方、優しく流れるようなメロディ、ゆったりとしたアレンジは、自分が愛するイタリアン・ミュージックの大事な一部なんです。自分にとってのイタリアン・ポップスは、こういう曲から始まってるんだよなぁ。
美しいメロディが満載のアルバムです。古いタイプの曲が嫌いでなければ、初心者にもおすすめですよ。