SANDRO GIACOBBE


LE PIU' BELLE CANZONI (1990年)

   サンドロ・ジャコッベ / レ・ピゥ・ベッレ・カンツォーニ
    (CGD 9031 71288-2 / イタリア盤CD)




giacobbe1.jpg   1: SIGNORA MIA
  2: IL GIARDINO PROIBITO
  3: PICCOLA MIA PICCOLA
  4: STORIE DI PRIMAVERA
  5: SIGNORA ADDIO
  6: LEI
  7: MI VA CHE CI SEI
  8: GLI OCCHI DI TUA MADRE
  9: IL MIO CIELO LA MIA ANIMA
 10: IO PRIGIONIERO
 11: BIMBA
 12: VOLARE VIA
 13: BLU
 14: NOTTE SENZA DI TE







 1970年代から活動しているカンタウトーレ(いまも現役? 新録アルバムは出てるみたいだけど)の、初期の曲を中心にしたベスト盤。

 シンフォニック・ポップスの典型といえるでしょう。美しく流れるようなメロディ、優しく包み込むオーケストレーション …… 基本ですね。ラヴ・ロックなどと呼ばれるグループたち、たとえばジャルディーノ・デイ・センプリーチ(il Giardino dei Semplici)などが好きな人なら、きっとこれも気に入るはず。

 録音年代のせいか、ドラムの音はパタパタですが(そこがまたイタリアっぽいともいえます ^^;)、ときに生オーケストラで、あるいはオルガンその他のキーボードによるバックは、非常にふくよかで暖かみがあります。
 哀愁系というよりは、前向きで明るい感じの曲が多いです。その点では、イ・プー(i Pooh)などに通ずるものがあるかもしれません。

 ヴォーカルはちょっと頼りなげです。力いっぱい熱唱する、強引に盛り上げるというタイプではないですね。
 ならば、たとえばアメデオ・ミンギ(Amedeo Minghi)などのように抑えぎみなヴォーカルで味を出す人かというと、そうでもないです。本人はけっこう熱唱してるつもりなんだけど、声自体に力強さがない、もしくは瞬発力がないんでしょう。
 ただ、その頼りなさというか、ひ弱な感じが、彼の魅力でもあるんですね。曲のアレンジ的には濃ゆいのに、全体の印象があまり暑苦しくならないのは、声に暑さがないからだと思います。

 オーソドックスすぎて、今の時代には流行らないタイプの音楽でしょう。現代のイタリアン・ポップスの主流からも思いっきりはずれてると思います。
 でもね、この伸びやかな唄い方、優しく流れるようなメロディ、ゆったりとしたアレンジは、自分が愛するイタリアン・ミュージックの大事な一部なんです。自分にとってのイタリアン・ポップスは、こういう曲から始まってるんだよなぁ。

 美しいメロディが満載のアルバムです。古いタイプの曲が嫌いでなければ、初心者にもおすすめですよ。

(1998.07.20)








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