1: INTI - RAYMI
2: INTI - ILLAPA
3: PROVERBI
4: INCA
5: NAELE
6: SOGNO
7: NAZCA
8: L'ALBA DEI TEMPI
9: BAMBOLE
10: PIZARRO
produced by BEPPE CROVELLA
all lyrics by Nic Comoglio
arrangements by Syndone
Nik Comoglio: vocals, piano, moog, synthesizers, hammond, a-guitar.
Edo Rogani: piano, moog, synthesaizers, hammond.
Paolo Sburlati: drums, percussions.
Fulvio Serra: bass.
Syndone(シンドーネ)は、タイプとしてはELPタイプとなるのでしょうか。キーボード・メインのプログレッシヴ・ロックです。
メンバーは、キーボード奏者が2人にドラムとベースの4人組。ギタリストはいません。
自分はギタリストのいない、いわゆるキーボード・トリオといったタイプのプログレッシヴ・ロックが苦手で、ELPも含め、そういったグループの音楽を「いい」と思ったことがほとんどありません。キーボーディストが2人になってキーボード・クァルテットとなっても、それは同じことです。
Syndoneのこのアルバムにしても、古代インカ帝国をテーマに、ところどころオリエンタルな雰囲気を漂わせつつ、きらびやかでテクニカルなキーボード・プログレッシヴ・ロックを展開していますが、やはり、あまり「いい」とは思えません。
ギターは非常にパッショネイトな楽器です。同じギターを同じアタッチメントに通し同じ設定のアンプからならしても、それを弾く人によって、また同じ人が弾いてもそのときのコンディションによって、出てくる音が違ってしまうのがギターです。
これは、自分がもともとギター弾きだったから余計にそう感じるのかもしれませんが、ギターの入っていないロックには多くの場合、ドラマとエモーションを感じられないのです。
その点を差し引いて考えるなら、キーボード・プログレッシヴ・ロックとしてはまずまずの水準にある作品でしょう。ところどころでキーボードのアルペジオにリズムの乱れがあるなど、テクニック的には不安定なところも散見されますが、とくに下手というほどでもありません。
とはいえ、イタリアの名グループ、名作アルバム群などにくらべると、明らかに迫力不足。ヴォーカルの力のなさ、そしてリズム隊のパワーのなさが、アルバムのイメージを軽いものにしてしまっています。
最近はこういった軽くてテクニカルな感じのするものの法が受けるのかもしれませんが、プログレッシヴ・ロックのコンセプトアルバムであるなら、音楽自体に、そしてその背景に、もっと深遠ななにかを感じさせてほしいと思います。その点で、明らかに密度不足といえるでしょう。