producido por CARLOS MARTINEZ
Orquesta de Cordoba dirigida por GLORIA ISABEL RAMOS TRIANO
Manuel Martinez: voz
Francisco Ventura: guitarras y coros
Manuel Reyes: bateria y coros
Jose Miguel Fernandez: bajo y coros
Manuel Ibanez: teclados y coros
一般的にはスペインのハードロック/ヘヴィメタル・グループという位置付けになるのだろうけど、プログレッシヴ・ロック・ファンのあいだでも愛聴者が多いようです。自分はこのグループのアルバムを聴くのはこれがはじめてなのですが、なるほどそれもうなずけます。
ドラマティックな展開、キーボード・オーケストレーションの多用、ハードなギターなど、いかにもプログレッシヴ・ファンやブリティッシュ様式美系ロックとかが好きな人にはツボといえるでしょう。とくにこのアルバムでは序盤でオーケストラが大幅に導入されていることもあり、いっそうプログレちっくです。
しかし彼らの音楽がプログレッシヴ・ロック、ユーロ・ロックのファンに愛されるのは、演奏面でのプログレ性より、ヴォーカルの味わいの深さに、より大きな理由があるような気がします。スペイン語で歌われていることはもちろん、ところどころファルセット気味の発声がまじるところなど、いかにもスパニッシュ情緒がたっぷりなんです。
音楽はまぎれもないロックなのだけど、ベースに流れる「歌」はフラメンコに通じる「スペインの歌」そのもので、そういう意味ではスパニッシュ・プログレッシヴの名グループ、Triana(トリアナ)直系ともいえそうです。
演奏はちょっと粗いし、エレキ・ギターの音色などはあまり美しくないのだけど、ところどころで挿入されるガット・ギターはなかなか趣があります。ほどよくエキゾティックなメロディもユーロ・プログレッシヴ的です。
トータルで見れば、プログレッシヴ・ロックというよりは、やはりハードロック/ヘヴィメタルだと思いますが、ロックに「ドラマティックさ」や「英米以外の独特の味わいを持ったヨーロッパ情緒」を求めてプログレッシヴ・ロックを聴いている人には愛すべきアルバムといえるでしょう。テクニカルなプログレッシヴ・メタル系に走らず、「歌」を大事にしている姿勢が感じられる点も個人的にはポイント高いです。
なお、ボーナストラックとしてM2「Cordoba」のヴィデオ・クリップが収録されているようです。