produced by Morte Macabre
Nicklas Berg: mellotron, rhodes, theremin, sampler, guitar, bass
Stefan Dimle: bass, mellotron, moog
Reine Fiske: guitars, mellotron, violin, rhodes
Peter Nordins: drums, percussion, mellotron
Yessica Lindkvist: voice
Janne Hansson: waves
中古で安く売ってたので買ってみたのですが、事前知識としては「どこかで名前を聞いたことがある気がする」程度のグループ。Anekdoten(アネクドテン)とLandberk(ランドベルク)のメンバーによるプロジェクトらしいです。そんなわけで、どういう音楽なのかもわからないまま手に入れたのですが、その実態?は、ホラー映画に使われた曲をMorte Macabre(モルト・マカブル)がカバー?したもの。
最近のホラー映画の音楽はすっかりヘヴィ・メタルに侵食されてしまった気がしますが、むかしのホラーにはプログレッシヴ・ロック的なにおいがするものがたくさんありましたよね。『サスペリア』で有名なGoblin(ゴブリン)や『エクソシスト』のMike Oldfield(マイク・オールドフィールド)などももちろんですが、『オーメン』のサントラとかも、なかなかにプログレッシヴ。ヘヴィ・メタルが中心になったのは、ホラーが純粋にホラーではなくホラー・コメディになってしまったからでしょうか。
このアルバムに収録されているのは、ホラー・コメディになる以前の、ホラーがちゃんとホラーしてたころの作品の挿入歌が多いようです。『ローズマリーの赤ちゃん』の曲とか、すごく懐かしいです。あと、オリジナルも1曲入ってます。
メンバーは4人ですが、全員にメロトロンのクレジットがあるのが、なんだかおかしい。プログレッシヴ・アルバム発掘ブーム?だった1980年代〜1990年代くらいにはよく「トリプル・メロトロン!」とか「全員がメロトロンを!」など、メロトロン使用比率の高さだけで「幻の名盤」扱いされるアルバムがあったように記憶してますが、もしこのアルバムが1970年代のリリースだったら、まちがいなく「幻の名盤」の1枚になってたことでしょう。それらの「幻の名盤」は1990年代ころまでに数多く発掘・再発され、その姿を白日のもとにさらしたわけですが、実体はたいしたことないというものが多かったように思います。Morte Macabreのこのアルバムについても、同様に感じます。
基本はあくまでも「サウンド・トラック」の寄せ集め。プログレッシヴ・ロックとしてのダイナミズムとかは、あまり期待できません。全曲にわたってメロトロンが鳴り響いていますが、これが本当に効果的なメロトロンの使い方かというと、そうは感じません。べつにメロトロンじゃなくてもいいじゃんといった感じ。メロトロンさえ鳴っていれば、なんとなく奥行や深みが出るからというだけの使い方に思えてしまいます。残念ながら、メロトロンの持つ潜在力、ダイナミズムといったものを引き出しているとは思えないんです。
悪くはないのだけど、やっぱりサウンド・トラック的、BGM的だなぁ。雰囲気のなかでうつらうつらするのによさそうなアルバムでした。