TITO SCHIPA JR.


ORFEO 9 (1973年)

   ティト・スキーパ・ジュニア / オルフェオ・ノーヴェ
    (FONIT CETRA CDLP 427(2) / イタリア盤CD)



schipa1 CD1
  1: TRE NOTE (Overture)
  2: INVITO
  3: L'ALBA
  4: VIENI SOLE
  5: IL RISVEGLIO DI ORFEO
  6: PANE PANE
  7: LA CITTA SOGNATA
  8: LA RAGAZZA CHE NON VOLTA IL VISO (Ritorno ad un sogno)
  9: ECCOTELA QUI
 10: SENTI ORFEO
 11: VENDITORE DI FELICITA
 12: SENTI ORFEO (ripresa)

CD2
  1: CIAO
  2: PER LA STRADA
  3: SEGUICI
  4: VENDITORE DI FELICITA (ripresa)
  5: LA CHIROMANTE
  6: ECCOTI ALLA FINE (Tema delle stelle)
  7: ECCOTELA QUI (ripresa)
  8: LA BOMBA A
  9: DA TE PER TE
 10: LA CITTA FATTA A INFERNO
 11: UNA VECCHIA FAVOLA
 12: LA RAGAZZA CHE NON VOLTA IL VISO (Ritorno ad un sogno) (ripresa)
 13: ECCOTI ALLA FINE (Tema delle stelle) (ripresa) e FINALE







 ティト・スキーパ・ジュニアのポップ・オペラ・アルバム。
 ポップ・オペラなので、ティト以外にもたくさんの人が参加しています。たとえばキャストにはロレダーナ・ベルテ(Loredana Berte)やレナート・ゼロ(Renato Zero)など、ミュージシャンとしてはトゥリオ・デ・ピスコポ(Tullio De Piscopo)など、それなりに知名度も高い人の名前が見えます。

 ところで、オルフェってどんな話だったっけ? 昔、ジャン・コクトーの『黒いオルフェ』とかいう映画を見た気もするんだけど、内容は全然覚えてないです。
 そんなわけで、このポップ・オペラも、話の内容は全然わかりません。一応、ティトが主人公のオルフェ(Orfeo)の役をやってるようですが、それ以外の出演者の登場場面も多いので、ティトの歌がたくさん聴けるかというと、そうでもないです。

 ストーリー・テリングのための音楽なので、アルバム全体を通してのまとまりというか、求心力みたいなものは弱いですね。いかにも昔の劇伴風オーケストラが派手になるところがあるかと思えば、なんとなくアラブ風で瞑想的な民族音楽パート(?)みたいなところもあるし、元気いっぱいのポップ/ロック・パートもあるし。
 ただ、ところどころで聴ける、繊細で、神経質な危うさを持ったパートが、ティトらしくて、心引かれます。

 ティトは、自分が知っている範囲では、このポップ・オペラのあとに『Io Ed Io Solo』『Concerto Per Un Primo Amore』、それにボブ・ディランのカバーをした『Dylaniato』と、3枚のアルバムを出しています。そのうち、現在も比較的簡単に手に入るのは、このポップ・オペラと『Dylaniato』の2枚だけのようです。
 つまり、純粋なオリジナル・アルバムは手に入らないんですね。

 残念ながら自分も『Io Ed Io Solo』は聴いたことがないのですが、『Concerto Per Un Primo Amore』のほうはLPを持っています。神経の細そうな、ちょっとはかなげな声が、美しくもプログレッシヴなアレンジと絡み合う、非常によいアルバムです。『Io Ed Io Solo』も同傾向とのことなので、ぜひ2枚ともCD化を待ち望んでいるのですが、むずかしいんだろうな。

 このポップ・オペラでは、ティトの歌を堪能するのはむずかしいけれど、それでもところどころで聴ける彼の唄が印象に残ります。その後のアルバムより、いくぶん力強いかもしれません。
 純粋なポップス・アルバムじゃないけど、これはこれでけっこう楽しめると思います。それに、彼の、癖があるけれども人を引き付ける歌声を聞けるだけでも、充分“買い”かもしれませんよ。

(1998.08.09)








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