CD1
1: TRE NOTE (Overture)
2: INVITO
3: L'ALBA
4: VIENI SOLE
5: IL RISVEGLIO DI ORFEO
6: PANE PANE
7: LA CITTA SOGNATA
8: LA RAGAZZA CHE NON VOLTA IL VISO (Ritorno ad un sogno)
9: ECCOTELA QUI
10: SENTI ORFEO
11: VENDITORE DI FELICITA
12: SENTI ORFEO (ripresa)
CD2
1: CIAO
2: PER LA STRADA
3: SEGUICI
4: VENDITORE DI FELICITA (ripresa)
5: LA CHIROMANTE
6: ECCOTI ALLA FINE (Tema delle stelle)
7: ECCOTELA QUI (ripresa)
8: LA BOMBA A
9: DA TE PER TE
10: LA CITTA FATTA A INFERNO
11: UNA VECCHIA FAVOLA
12: LA RAGAZZA CHE NON VOLTA IL VISO (Ritorno ad un sogno) (ripresa)
13: ECCOTI ALLA FINE (Tema delle stelle) (ripresa) e FINALE
ティト・スキーパ・ジュニアのポップ・オペラ・アルバム。
ポップ・オペラなので、ティト以外にもたくさんの人が参加しています。たとえばキャストにはロレダーナ・ベルテ(Loredana Berte)やレナート・ゼロ(Renato Zero)など、ミュージシャンとしてはトゥリオ・デ・ピスコポ(Tullio De Piscopo)など、それなりに知名度も高い人の名前が見えます。
ところで、オルフェってどんな話だったっけ? 昔、ジャン・コクトーの『黒いオルフェ』とかいう映画を見た気もするんだけど、内容は全然覚えてないです。
そんなわけで、このポップ・オペラも、話の内容は全然わかりません。一応、ティトが主人公のオルフェ(Orfeo)の役をやってるようですが、それ以外の出演者の登場場面も多いので、ティトの歌がたくさん聴けるかというと、そうでもないです。
ストーリー・テリングのための音楽なので、アルバム全体を通してのまとまりというか、求心力みたいなものは弱いですね。いかにも昔の劇伴風オーケストラが派手になるところがあるかと思えば、なんとなくアラブ風で瞑想的な民族音楽パート(?)みたいなところもあるし、元気いっぱいのポップ/ロック・パートもあるし。
ただ、ところどころで聴ける、繊細で、神経質な危うさを持ったパートが、ティトらしくて、心引かれます。
ティトは、自分が知っている範囲では、このポップ・オペラのあとに『Io Ed Io Solo』『Concerto Per Un Primo Amore』、それにボブ・ディランのカバーをした『Dylaniato』と、3枚のアルバムを出しています。そのうち、現在も比較的簡単に手に入るのは、このポップ・オペラと『Dylaniato』の2枚だけのようです。
つまり、純粋なオリジナル・アルバムは手に入らないんですね。
残念ながら自分も『Io Ed Io Solo』は聴いたことがないのですが、『Concerto Per Un Primo Amore』のほうはLPを持っています。神経の細そうな、ちょっとはかなげな声が、美しくもプログレッシヴなアレンジと絡み合う、非常によいアルバムです。『Io Ed Io Solo』も同傾向とのことなので、ぜひ2枚ともCD化を待ち望んでいるのですが、むずかしいんだろうな。
このポップ・オペラでは、ティトの歌を堪能するのはむずかしいけれど、それでもところどころで聴ける彼の唄が印象に残ります。その後のアルバムより、いくぶん力強いかもしれません。
純粋なポップス・アルバムじゃないけど、これはこれでけっこう楽しめると思います。それに、彼の、癖があるけれども人を引き付ける歌声を聞けるだけでも、充分“買い”かもしれませんよ。