1: L'APPRODO
2: L'ECO
3: CHIARA
4: UN VOLO
5: PIANOFORTE
6: LETTI (additional vocal NEW TROLLS)
7: E' TUTTO QUA' (lead vocal RENATO ZERO)
8: RIFLESSIONI
a) IL MIO MONDO
b) IL NOSTRO CONCERTO
c) LA MUSICA E' FINITA
prodotto da: RENATO ZERO & RENATO SERIO
arrangiamenti & direzione d'orchestra a cura del Maestro RENATO SERIO
Orchestra dell'A.M.I.T.
basso: MAURIZIO GALLI
chitarra: ADRIANO MARTINO, NICO DI PALO
pianoforte: LUDOVICO FULCI, STEFANO SENESI
batteria: DEREK WILSON, LELE MELOTTI
tastiere: VITTORIO DE SCALZI
Umberto Bindi(ウンベルト・ビンディ)は1960年代後半の、いわゆるカンツォーネの時代から活動しているカンタウトーレのようです。
彼はもともと、映画音楽のような、オーケストラを使った奥行きの深いアレンジの音楽が持ち味のようで、それがときにはイージーリスニング的な、あまり引っかかりのない、耳障りのよいBGMになってしまうこともあります。実際、インスト作品も多くあるようです。
しかし、このアルバムは歌入りの曲が中心となっており、持ち味であるゆったりとした奥行きのあるアレンジとともに、まさにイタリア的なシンフォニック・ポップスを聴くことのできる作品になっています。
彼の喉に引っかかるような声は、ちょっと特徴的です。たとえばGianni Bella(ジャンニ・ベッラ)とRenato Zero(レナート・ゼロ)の中間あたりといえば、感じとしてあっているでしょうか。
Renato Zeroといえば、このアルバムのプロデュースを担当しているのはRenatoです。そのせいか、このアルバムの全体のイメージは、Renatoの名作『Amore Dopo Amore』に近いところがあります。
Renatoのアルバムよりはおとなしく、オーソドックスで、サントラ風味が強いですが、ベースとなる部分に共通点があるのでしょう。美しくドラマティックで、ほっとするような感覚は、古くからのイタリアン・ミュージックのアイデンティティといえます。
このアルバムにはサンレモ参加曲の「Letti」が収録されていますが、この曲には演奏とコーラスでNew Trolls(ニュー・トロルス)が参加しています。Umbertoの少しざらついたメイン・ヴォーカルのあと、サビでNew Trollsの完璧なコーラスが入るところは、まさに感動的です。New Trollsのコーラスの素晴らしさを知っている人なら、容易に想像できることではありますが。
アルバムを通してロック的な強さ、激しさはまったくないので、人によっては退屈に思うかもしれません。しかし、イタリアの美しい旋律とロマンティックなアレンジを求めている人には、きっと愛すべきアルバムになるはずです。