ENGLAND


GARDEN SHED (1977年)

   イングランド / 枯葉が落ちる庭園
    (ARISTA RECORDS / BMG VICTOR / EDISON: ERC-32004 / 日本盤CD)



jacket photo
  1. MIDNIGHT MADNESS
        狂気に満ちた夜
  2. ALL ALONE <Introducing>
        ひとりきり
    THREE PIECE SUITE
        三編の組曲
  3. PARAFFINALEA
        パラフィナレア
  4. YELLOW
        イエロー
  5. POISONED YOUTH
        毒された青春期


written, arranged, performed & produced by England:
Martin Henderson: bass, vocals
Franc Holland: guitar, vocals
Robert Webb: keyboards, vocals
Jode Leigh: percussion, vocals, bass








England(イングランド)の1977年にリリースされた唯一のオリジナル・アルバムです(のちに未発表曲集が1枚出てます)。

なんといいますか、彼らの音楽って、可愛らしいです。Genesis(ジェネシス)風な演奏やアレンジもあって、いわゆるブリティッシュ・シンフォニック・プログレッシヴの音なのだけど、プログレにありがちな大仰さとか押し付けがましさとか小難しさといったようなものが、Englandの音楽にはないんですよ。コーラスもポップな感じだし。

プログレッシヴ・ロックの体裁は持っているけれど、また、彼ら自身がプログレッシヴ・ロックが大好きで、「シンフォ・プログレやりたい!」という気持ちを前面に出して曲をつくり演奏をしたのだろうと思うのだけど、でも彼らの音楽の根底にあるのはプログレッシヴじゃなくて、ブリティッシュ・ポップスなんじゃないかしら。曲の端々に出てくるフレーズやパッセージなどがいちいちキャッチーで可愛らしい。

こういう感覚って、むかしのブリティッシュ・グループが、その音楽ジャンルにかかわらず、けっこう普通に持ってたように思うんです。その点で、このEnglandもThe Beatles(ザ・ビートルズ)もFruup(フループ)もThe Who(ザ・フー)もThe Kinks(ザ・キンクス)もPilot(パイロット)もElectric Light Orchestra(エレクトリック・ライト・オーケストラ)も、あんまり変わらないような気がします。みんな、いろいろな衣装を身にまとっているけれど、根底にはブリティッシュ・ポップスの可愛らしいメロディが流れてる。

メロトロン導入比率も高く、つくり方によっては気負ったシンフォニック・プログレッシヴにだってなったであろうところを、そうせずに(できずに?)、なんだかとてものんびりとした、聴いていてほっと心が和むような、天気のいい日に縁側に座ってお茶をすすっているような(もちろん、ひざの上には猫が丸くなって寝てる……←あくまでも、イメージですが)、そんな音楽にしてしまったEnglandというグループが、なんだかとてもいとおしく感じられるアルバムです。

(2007.07.29)







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