ROBERT JOHN GODFREY


FALL OF HYPERION (1978年)

   ロバート・ジョン・ゴッドフリィ / フォール・オブ・ハイペリオン
    (CHARISMA RECORDS / VIRGIN JAPAN: VJCP-2545 / 日本盤CD)



jacket photo
  1. THE RAVEN
  2. MOUNTAINS
  3. WATER SONG
  4. END OF SIDE ONE
  5. ISAULT
  6. THE DAEMON OF THE WORLD
       (i) THE ARRIVAL OF THE PHOENIX
       (ii) ACROSS THE ABYSS
       (iii) THE DAEMON
       (iv) THE WANDERER
       (v) IHS
       (vi) TUBA MIRUM


lylics by Christopher Lewis
music by Robert John Godfrey
produced by Neil Slaven
directed by Robert John Godfrey

Robert John Godfrey: keyboards
Christopher Lewis: vocals
Neil Tetlow: bass
Jim Scott: guitars

Nigel Morton: hammond organ
Tristan Fry & Ronnie McCrea: percussions








古くからシンフォニック・プログレッシヴ・ロックの名作として知られているアルバムです。ですが、自分はそんなに好きじゃありません。

シンフォニック・プログレ自体はけっこう好きなんですよ。Robert John Godfrey(ロバート・ジョン・ゴッドフリィ)がこのアルバムよりのちに結成するThe Enid(ジ・エニッド)だっていい感じだし、Mandalaband(マンダラバンド)やBarclay James Harvest(バークレイ・ジェームス・ハーヴェスト)やThe Moody Blues(ザ・ムーディ・ブルース)だって好きな部類のグループです。なので、ブリティッシュ・シンフォ・プログレが好みじゃないというわけではありません。

でも、Robertのこのアルバムとか、Tom Newman(トム・ニューマン)の『Fairy Symphony』とか、シンフォ・プログレの名作といわれてるけれど、自分にはそこにシンフォ・プログレを聴く感動とか喜びとかを見つけにくいのです。

オーケストレーションとかね、すごい優雅です。いかにも英国。キーボードやピアノの響きもやわらかなロマンにあふれていて、とても心地よいです。ヴォーカル・ラインのメロディはちょっと魅力が薄いですが、まぁよしとしましょう。自分にとってのいちばんの不満は、リズム・セクションなのです。

ロックしてない。

そう。このアルバムには、ロックとしての躍動感やうねり、力強さといったものが、リズム・セクションに感じられないんです。ベースもパーカッションも入ってはいるけれど、ロック・ミュージックの屋台骨ともいえる力強いリズム/ビートを感じさせるためにではなく、たんにクラシック・オーケストラにおけるコントラバスやティンパニ等の代役として導入されているにすぎないという印象を受けてしまうのです。なんとなくクラシック・ミュージック風なものを作曲して、クラシック・ミュージック風な考え方で、ポピュラー・ミュージックで使う楽器を使って演奏してみました、といった感じです。

自分は、シンフォニック“ロック”が好きなのです。優雅で繊細でドリーミーであっても、ベーシックな部分ではロックの躍動感や力強さがきちんと感じられるシンフォニック・プログレッシヴが好きなのです。Genesis(ジェネシス)だってPremiata Forneria Marconi(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ。PFM)だってCamel(キャメル)だって、シンフォ・プログレの名グループといわれるグループは、シンフォニックに身をまといながらも、きちんとロックでした。

そう。“ロック”が足りないのですよ、このアルバムには。もっと“ロック”があれば、魅力の薄いヴォーカルも気にならなかったかもしれない。もっと“ロック”があれば、この素晴らしいオーケストラ・アレンジもさらに映え、もっともっとロマンティック&ドラマティックになっただろうに。残念だな。

(2005.04.03)







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