performed by The Bleeding Heart Band
Roger Waters: vocals, guitars, bass, the odd keyboard, shakuhachi
Andy Fairweather Low: guitars
Jay Stapley: guitars
Mel Collins: saxophones
Ian Ritchie: programming, piano, keyboards, saxophone
Graham Broad: drums, percussion
John Linwood: drums
Nick Glenny-Smith: dx7, emu
Matt Irving: hammond organ
John Phirkell: trumpet
Peter Thoms: trombone
Paul Carrack, Clare Torry, Suzanne Rhatigan, Kate Kissoon, Doreen Chanter, Madeline Bell, Steve Langer, Vicky Brown: backing vocal
自分はもともとPink Floyd(ピンク・フロイド)が大好きで、高校のころなどは毎日のように彼らのアルバムを聴いていたものでした。どのアルバムもそれぞれに気に入っているのだけど、毎日がプログレッシヴ・ロックづけでも音楽づけでもなくなったいま、とりあえずPink Floydを聴こうと思ったときについかけてしまうアルバムは『The Final Cut』だったりします。実は自分、彼らのアルバムのなかでこれがいちばん好きなのです。いまは。
『The Wall』の大成功とPink Floydの分裂という狭間でリリースされた『Tha Final Cut』は、Roger Waters(ロジャー・ウォータース)の個人的な嗜好が強く前面に出ていて、Pink FloydのアルバムというよりはRogerのソロ・アルバムに近い... といわれることも多いようです。ならば、ということでPink Floyd脱退後のRogerのソロ・アルバムに『The Final Cut』の影を求めて何枚かを聴いたのですが、やっぱり違うのですよね。
Radio K.A.O.Sという架空のラジオ局を狂言回しに、世の中を批判したり皮肉ったりというコンセプト・アルバムになっているらしいのですが、自分は英語がよくわからんし、手元にあるのは輸入盤だしで、曲やコンセプトの内容とか、よくわかりません。ラジオ風に曲の合間でDJが曲紹介らしきことをしているのは楽しいですが、音楽的にはアメリカンな要素(あえてそうしているのでしょう)が強く、ソウルフルというかゴスペル風なコーラスも多用され(Pink Floydでもときどき導入されてましたね)、Pink Floyd的なところはほとんど見つかりません。
でも、Rogerのヴォーカルはあいかわらず味わい深く、まぁ、これはこれで悪くないでしょう。M2「Who Needs Information」などではほのかに後期Pink Floydの香りがする気がしますが、これでギターがDavid Gilmourだったらなぁと思ってしまうのよねぇ、やはり。Rogerの歌とDavidのギターという組み合わせが、やっぱり自分は好きだったのだよなぁということを強く感じてしまいます。
このアルバム、もう少し曲がよければいいのにな。妙に明るい感じが支配しているのはいいにしても(意図があってのことだろうから)、単純に曲そのものにあまり魅力を感じないのが残念なところです。脱退後最初のソロとなった『The Pros And Cons Of Hitch Hiking』や、ソロ3枚目の『Amused To Death』のほうが、魅力的に思います。
けれど自分はけっきょく『The Final Cut』に戻っていくのでした。