NEW ENGLAND


EXPLORER SUITE (1980年)

   ニュー・イングランド / 果てしなき冒険
    (AVALON MICY-1062 / 日本盤CD)



jacket photo   1: HONEY MONEY
  2: LIVIN' IN THE EIGHTIES
  3: CONVERSATION
  4: IT'S NEVER TOO LATE
  5: EXPLORER SUITE
  6: SEAL IT WITH A KISS
  7: HEY YOU'RE ON THE RUN
  8: NO PLACE TO GO
  9: SEARCHIN'
 10: HOPE
 11: YOU'LL BE BORN AGAIN


New England are;
JOHN FANNON: vocals & guitar
HIRSH GARDNER: drums & vocals
GARY SHEA: dass
JIMMY WALDO: keyboards & vocals

produced by MIKE STONE and JOHN FANNON
directed by GARY BORRESS







 アメリカ北東部、マサチューセッツ州を中心としたニュー・イングランド地方を拠点に活動していたNew England(ニュー・イングランド)のセカンド・アルバムです。
 ファースト・アルバムではKiss(キッス)のPaul Stanley(ポール・スタンレイ)がプロデュースしていましたが、本作ではギター&ヴォーカルのJohn Fannon(ジョン・ファーノン)が自分でプロデュースしています。

 ポップでキャッチーなアメリカン・テイストにあふれたなかに、ヨーロッパ的なドラマティックさと奥行きを感じさせる点で、彼らをアメリカン・プログレッシヴの仲間に入れることは難しくないでしょう。
 しかし、プログレッシヴ・ファンの間でアメリカン・プログレッシヴ・グループとして一定の評価を得ている、初期から中期のStyx(スティックス)やKansas(カンサス)などにくらべると、New Englandの音楽は、はるかにアメリカン・ロック的な要素が強いといえます。タイプとしては、Styxなどよりは、どちらかというとAngel(エンジェル)に近い音楽性ではないでしょうか。

 Angelもかなりヨーロッパ指向の強いアメリカン・ロック・グループでしたが、曲想は、ブリティッシュなものとアメリカンなものに、極端に分離していました。
 それに対してNew Englandの曲は、アメリカン・ロックをベースにブリティッシュ指向をうまく溶け込ませたものになっています。その点で、グループの持つ音楽性、方向性が、Angelよりもクリアだったといえるでしょう。

 アメリカらしいさわやかなコーラス・ワークも彼らの特徴のひとつといえるでしょうが、そのメロディや和声の背後に、たとえばイギリスのPilot(パイロット)などが持っていたブリティッシュ・ポップのエッセンスが、しばしば感じられます。たとえば、Styxなどのアメリカン・プログレッシヴとJourney(ジャーニー)やToto(トト)などに代表されるのちの産業ロックとの間をつなぐ音楽性を持ったグループといえるのではないでしょうか。
 アルバム・タイトル曲の「Explorer Suite」や「Hope」といった、それぞれ6分を超す曲に、そういった彼らの持ち味が存分に表わされています。また、他の短い曲もキャッチーで馴染みやすく、よき時代のアメリカン・メロディアス・ロックの典型といえるでしょう。

 New Englandの解散後、ベースのGary Shea(ゲイリー・シェア)は、人気ロック・ヴォーカリストのGraham Bonnet(グラハム・ボネット)、当時はまだ無名だったスーパーギタリストのYngwie Malmsteen(イングヴェイ・マルムスティーン)らとともにAlcatrazz(アルカトラス)でプレイしていましたが、その後はどうなったのでしょう? いつのまにかAlcatrazzは解散してしまったようですし。
 また、1998年にこのCDが国内再発された際のライナーには、New Englandがオリジナル・メンバーで再結成されるようなことが書いてあるのですが、これもどうなったのでしょう? ちょっと気になるところです。

(2000.10.15)








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