SAVATAGE


EDGE OF THORNS (1993年)

   サヴァタージ / エッジ・オブ・ソーンズ
    (ATLANTIC RECORDING CORPORATION: 82488-2 / アメリカ盤CD)



jacket photo
  1. EDGE OF THORNS
  2. HE CARVES HIS STONE
  3. LIGHTS OUT
  4. SKRAGGY'S TOMB
  5. LABYRINTHS
  6. FOLLOW ME
  7. EXIT MUSIC
  8. DEGREES OF SANITY
  9. CONVERSATION PIECE
  10. ALL THAT I BLEED
  11. DAMIEN
  12. MILES AWAY
  13. SLEEP


produced by Paul O'Neil

Zachary Stevens: vocals
Criss Oliva: guitars
Johnny Lee Middleton: bass
Steve Wacholz: drums

Jon Oliva: piano and keyboards








透明でリリカルなアコースティック・ピアノのアルペジオ。そこにかぶさってくる厚く重いギター・リフ。ドラマティックなハード・ロック/ヘヴィ・メタルが好きな自分をめちゃめちゃ期待させる導入部です。

Savatage(サヴァタージ)はアメリカのヘヴィ・メタル・グループですが、ヨーロッパ志向の強いドラマティックな曲づくりが好きなようで、かといって完全にヨーロッパではなくアメリカンなわかりやすさもあったりして、個人的に一時とても気になっていました。アルバムも何枚か手に入れましたが、どれもおおよその期待どおり、ドラマティックなハード・ロック/ヘヴィ・メタル作品でした。

ただ、ドラマティックな要素は強いものの、アルバム全体にそれが行き渡りきらないのは、やはりアメリカのグループだからか、ドラマティックとはいえ素性はけっこう普通のHR/HMグループだからなのか。

このアルバムでも、冒頭からリリカルなピアノと重いリフでこれから始まるドラマを思いっきり予感させておきつつ、その後はけっこう普通にきれいなヘヴィ・メタルになっていってしまいます。印象的なピアノの音色も、ロックな曲中ではほとんど活躍することなく、きちんと聴こえるのはイントロだけだったり、ロックな曲と曲の間の場面転換的役割を持ったインスト曲であったりと、なんとなくバンドの演奏とは分離した使い方がされているような印象です。

もっとなぁ、1曲のなかでピアノが効果的に使われる、1曲のなかでのドラマティックな構成がある、というふうになると、より自分好みなのですが、そうするとHR/HMからだんだん離れてプログレッシヴ・ロックに近づいちゃうんでしょうね。ただ、テクニックと構成の複雑さを誇示するような最近のいわゆるプログレッシヴ・メタルって自分はあんまり好きじゃなく、プログレッシヴ・ロックが持っているようなドラマティックな要素を色濃くみせながらも大衆音楽としてのひとなつっこさやなじみやすさといったもの、いわば「歌心」を失わない音楽のほうが好きなのです。その点でいえば、もう少しドラマティック要素が強くてもいいよなとは思うけれど、Savatageのロックというのは自分の好みに近いんですよね。しかし、ピアノはもう少したくさん導入しようよ。

最近はHR/HMをあまり聴かなくて、このアルバムもひさしぶりに聴いたのだけど、やはり自分のなかには「ハード・ロックが好き!」な部分がいまも残ってるなと感じます。プログレッシヴ・ロックもイタリアン・ポップスも好きだけど、きっとハード・ロックもずっと好きなんじゃないかなと。ばりばりのヘヴィ・メタルはちょっと苦手だけど、それはヴォーカルとギターによるのかな。Savatageのヴォーカルもヘヴィ・メタル系といえばそうなのだけど、パワフル・シャウト系というにはロマンティックな歌声と歌い方。ギターも速弾きとかするけれど、歌心がある。もう少しソロのときの音が太くてウォーミーだともっと好みなんだけどな。

ドラマティックなHR/HMが聴きたいと思ったときについ棚から取り出してしまうグループです。

(2005.10.10)







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