AL-BIRD


SODOM & GOMORRA XXI (2001年)

   アル・バード / ソドム&ゴモラ XXI
    (MUSEA: FGBG 4435.AR / フランス盤CD)



jacket photo

Part I:
a) PROLOGUE
b) THE CITY
c) LOT-I / THE WIFE-I / ANGELS
Part II:
a) THE CAPTURE
b) BLACK FEAST-I
c) THE ORGY
Part III:
a) FOLLY OF THE MOB
b) THE BLINDNESS
c) THE WIFE-II
d) BLIND MAN / THE WIFE'S PRAYER
e) BLACK WEDDING
Part IV:
a) BLACK FEAST-II
b) THE SLAUGHTER
c) THE VICTORY
d) PROCESSION OF THE DEAD STARS-I
e) PROCESSION OF THE DEAD STARS-II
f) THE ESCAPE
g) BLACK PLAYER
h) TO THE FLAMES
i) LOT-II



Progressive Symphonic Poem
music by Albert "Al-Bird" Khalmurzayev

Alebert ""Al-Bird" Khalmurzayev: keyboards, guitars, harp, vocalaize, programming, sampling
Vitaly "Progressor" Menshikov: bass, guitars
Val "Ptero" Vorobiov: drums, keyboards

Flora Shamsutdinova: vocalize
Vera Vladimirova: whispers








ウズベキスタンのロック・グループ「X Religion(エックス・レリジョン?)」のキーボーディスト、Al Bird(アル・バード)によるソロ・アルバム。X Religionが何人グループなのか知りませんが、このアルバムにはX Religionからベーシストとドラマーが参加してます。

タイトルがソドムとゴモラですからねぇ。「XXI」がなにを意味するのかわかりませんが、テーマ的には「悪徳の滅亡」ですよね、きっと。2001年リリースということを考えると「21世紀」ということかな。サブ・タイトルは「Progressive Symphonic Poem」となってます。

ちなみに、ここで演奏されている音楽は、もともとは舞台用のものだったみたいです。Original scenic versionはウズベキスタンのThe Youth Teatreで上演みたいなことが書いてあるし、ジャケットのうしろにも舞台シーンの写真があります。

曲的にはキーボードを駆使したインストゥルメンタルのシンフォニック・プログレッシヴ。ギターが加わるパートもあり、いかにもキーボード・ミュージックというふうにはならず、きちんとバンド・サウンドが楽しめるのがうれしいです。キーボード自体はそれほど音色にヴァリエーションがありませんが、フレーズやアンサンブルに変化があるのと、メロディがいいのかなぁ、とくに飽きることなく聴けます(自分はキーボード・メインのインスト曲って途中でよく飽きちゃうんですけど)。またパイプ・オルガンをガンガン鳴らすパートもあったりして、迫力と広がりのあるロックになっています。

ソドムとゴモラといえば、男色をはじめとしたありとあらゆる快楽・悪徳がはびこり、それを「もう見てられん!」と思ったイスラエルの神(エホバ)が一晩のあいだに焼き尽くした街ですね。唯一、信心深い家族にだけは天使が「逃げなさい。その際、うしろを振り返ってはならない」と告げに来るのだけど、逃げる途中でつい街を振り返ってしまったお母さんはたちまち塩の塊になってしまったという話。この話をテーマにしたトータル・アルバムなので、快楽・悪徳の栄えを表現したパートとかもあるのかなと思ったのですが、全編通して暗いイメージで、快楽・悪徳の栄え的華やかさ・猥雑さといったものはありませんでした。そのあたり、収録曲(パート)に「シーン」をもっと想起させるようなメリハリがあってもよかったかなぁ。

独特のくすんだ感じがまとわりついているあたりが、やはり東欧。音色、フレーズ、展開、アンサンブルともにクオリティはけっこう高いと思います。X Religionも聴いてみたいぞ。

(2004.12.25)







Musica

Pensiero! -- la Stanza di MOA

(C)MOA

inserted by FC2 system